内なる心に聞いて、正しいと思うことをする
こんにちは。
toiee Lab 亀田です。
今日は、「教材の値段を、大幅に下げたこと」についてお伝えします。
教材を、約70%オフしました。一気に販売するため「今だけの特別価格」ではなく、定価を70%オフしました。
チーム内で意見が割れた
私たちは、14人のチームです。 形上、代表は私(亀田)です。
形上と念を押しているのには訳があります。通常、企業のCEO(トップ)は、全権限があります。鶴の一声でいろんなことが決められます。しかし、「第二次 toiee Lab」は、そのような権利をなくすことからスタートしました。
さらに、通常の企業からは理解しづらい組織です。雇用しているのは3人(私を含めて)だけです。他は、雇用していません。会社法上は、社外ですが、
- 教材作成ノウハウ
- 各種資料(教材アクセスなど)
- 計画、財務状況
いわゆる「社員」のように(普通の社員以上に)、情報を共有しています。このような組織体制については、また別でご紹介したいと思います。また、同志を募集したいと思っているので、別の機会にしっかりと説明したいと思っています。
何はともあれ、「フラット」で、「意見が割れること」を大切にしています。
toiee Lab内で「存在目的」や「ミッション」から鑑みて、「不都合な真実」があれば、どんどん上げて、改善するような組織になっています。
プレミアム(上乗せ)は、ありか、なしか
せっかくなので「プレミアム(プレミア)」の言葉の意味を、改めて確認しましょう。
英語では、WordPressの「有料テーマ」や「有料プラグイン」のことを、Premium Theme と書いたりします。プレミアムは形容詞だと「高級」という意味です。一方、名詞(単独)で使うと、「割増料金」のことを指します。
一般に「珍しいもの」や「希少性が高いもの」は、プレミアム(割増、上乗せ)が着きます。
例えば、なかなか手に入らない「ワイン」など(私はアルコールを飲みませんが)は、プレミアムが跳ね上がり、最初の販売価格の100倍にもなることがしばしばあります。
同様に「他では手に入らない」ものならば、プレミアムをつけて販売することは、ビジネスとしては、普通の感覚です。現代のように「個人ブランディング」が進む世界では、「コピーライティング」の書籍は、2,000円程度ですが、「起業家〇〇のコピーライティング・シークレット DVD2枚組」は、10万円とプレミアムをつけて販売するのが普通です。
ファンになっていて、その人のことを信頼していて、この人から学びたい!となっていたら、「プレミアム」がついていても、書いたい人は買います。また、本当に買いたい人だけが、買うようにすることで、お互いにとって(売る側、買う側)満足度が高いです。
以上のことから、「プレミアム」という考えは、普通です。
一方、大学生が習う「経済学入門」では、プレミアムは扱いません。市場の需要と供給によって、価格が決まると説明されます。大抵の場合、アイスクリームを例に説明されます。図のようになります。
シンプルな図ですが、「たくさんの問い」を出して「シミュレーション」してみると、色々と面白い発見があります。そうやって学べば、もっと大学生もしっかりと「モデル」について理解できると思うのですが・・・(また別の時に)
つまり、「価格を高くして、そこで留めておく」ことは、少ない需要になります。当然、この少ない人達は「本当に欲しい」人になります。
学べなかった人が、学べるようになる教材に「プレミアム」は、ありか、なしか
「耳デミー・WordPressベーシック」は、ラーニングファシリテーターの方々が、異口同音に「これはいい!」「すごくいい!」言ってくれます。
いつも辛口な人ですら、「初めて、心からいい!と思えました」と評してくれました。それぐらい良い内容だったようです。
耳デミーは、3つ問題を解決することを考えて設計しています。
- 独学は、そもそも教材を消費せず、挫折する
- 独学は、行動せずに、挫折する
- 独学は、行動しても、不安になって挫折する
「独学は、そもそも教材を消費せず、挫折する」を解決する方法
私も経験がありますが、「悩んだ末に、高い教材を買ったが、結局聞かなかった」ということがあります。例えば、DVD10枚組の教材を消費するには、全部見るだけでも「意志力」が必要です。
DVDを開封し、一人の時間を確保し、DVDプレイヤーに挿入して再生する。それをDVD10枚分行うことになります。私の場合、子育て中ですから、とてもじゃないですが時間がありません。
そこで、移動中や仕事の休憩時間に見ようと思っても、DVD 10枚をパソコンに取り込む作業が必要です。私は、最新のMacBook Proを使っています。DVDドライブはついていません。Macは何年も前に、この時代遅れで画質の低いDVDを葬り去りました。
個人的なことですが、DVD、CDでしか教材を提供していない提供者を見ると、怒りすら覚えます。
そんなこんなで「そもそも聞けない」という問題があります。これを解決すべく、様々な方法を考え、テストした結果が耳デミーです。
耳デミーは「Podcast形式」を採用しました。これは、どんなスマホでも「クリックして、登録するだけ」で再生できるものです。しかも、倍速再生、再生位置の記憶、デバイス間での再生位置の共有までできます。
例えば、耳デミーを申し込んだら、iPhoneで toiee.jp にログインします。そして「マイライブラリ」に移動して、目当ての耳デミーをクリックします。すると、iPhone用のボタンがあるので、クリックするだけ。これでOKです。
教材が「Podcastアプリに読み込まれ」ます。ダウンロードしておくこともできるので、出先でも自由に聴くことができます。倍速再生をすることで、「隙間時間を2倍に拡大」することができます。
時間を見つけたら、ちょこちょこ再生することで、最後まで聴き切ることが可能になります。
「独学は、行動せずに、挫折する」を解決する方法
学習が真に定着するときは、「行動」(アウトプット)した時です。聴くだけでは、知っていることが増えるだけで、血や肉にはなっていません。
例えば、WordPressなら実際にインストールして触ってみることが必要です。イノベーションなら、イノベーションの機会を分析し、それを人に説明するような「行動、アウトプット」が必要です。
ところが、独学している場合、この行動、アウトプットが、なかなかできません。
そこで、耳デミーは「アウトプットは、したい!と思うまでしない」方式を採用しました。間にワークを挟んだりせず、「知識偏重」で進める設計にしています。たくさんの知識を手にいれるうちに、徐々に「試してみたい!」と思い始めます。それまで、行動しなくて良いようにしています。
行動(アウトプット)が自然に発生するように、ハウツーや主題について解説するのではなく、「前提知識」や「仕組み」をたくさん話すようにしています。
前提知識を知る中で、「目の前の学ぼうとしているものが、自然とわかってくる」「ハウツーを自分で発想する」ように設計しています。
一見すると、遠回りなのですが、長期的に見れば、スピードアップする学習プロセスになっています。
例えば、WordPressの前提知識は、実はそのまま「データベース」や「インターネットの仕組み」や「アルゴリズム」というものの理解につながっています。それらは、他のアプリを使うときにも大いに役立ちます。
聴くだけで、話が繋がり始めて「行動したくなる」を目指して設計しています。
「独学は、行動しても、不安になって挫折する」を解決する
私たちが一人で学ぶ時に、とにかく問題となるのが「感情面」です。つまり「不安」と戦う必要があります。WordPressを一人で触っていて、「このまま何時間経って、何も得ないんじゃないか?」という不安が募ると、学習を辞めてしまいます。
このような感覚に陥るのは「全体像」が見えていないからです。また「学び方」を理解していないので、自分の進捗を実感することができません。
耳デミーでは、先に説明したように「前提知識」「仕組み」を多く説明しています。その結果、
「そうそう、こういう仕組みだったね。納得」 「聞いていた話だと、ここら辺をこう触ると・・・、あ、なるほど!」
と、聞きかじった知識がつながっていくことを実感できるため、不安になりづらいです。また、教材の中で、ちょこちょこ「学ぶヒント」を挟んでいます。それらも、自然に発揮して、触っていけるようになります。
・・・
以上のような「他にはない特徴」を備えた教材づくりになっています。この「他にはない」に対して、私は「プレミアム」を設定した価格設定をしました。
具体的には、
- WordPressベーシック : 30,000円
- インターネットの仕組み : 30,000円
- KANSOテーマ : 20,000円
- QHM to WordPress : 20,000円
全て購入すると 10万円です。
このような価格設定、考え方に対して、チーム内で大いに議論しました。
どんな意見が出たのか?
たくさんの意見が出ました。
- 安くしすぎると、価値を感じなくなる
- 安いこと自体が、価値を感じず、試すことすらしない
- 自分だったら、出せないけど、本当に必要だったら出す
- 30,000円でも安いんじゃないか?他で挫折してるんだから
- 15,000円以上で、自分で値段を決めるとかは、どうか?
などなど。
最終的に、「高い」ことが問題じゃなくて、投資が回収できないことが問題じゃないか?だから、リスクがないようにしてあげればいい。そのような結果から
- 返品保証を用意する
- 10日間、全編を視聴できるようにして購入してもらう
というアイデアにまとまりかけました。
そこで、TEAL組織ならではのアプローチで、「それぞれの心の深い部分」を探り、その心の声を聴くという時間を設けました。
すると、一人のメンバーから
「toiee Labの教育って、なんかパーっと扉が開く感じなんだよね。楽しい、面白い、ワクワクする、諦めていたけど、学べるかもしれない!」 「そう感じたあと、もっと学びたい!って思う。その気持ちに応えたいけど、教材が3万円だったら、ワークショップを諦めたり、また今度ってなるよね」 「鉄は熱いうちに打てじゃないけど、どんどん学べるようにしてあげたい」
そんな声が出てきました。そして、最終的に「プレミアム」を捨てよう。妥当な金額、誰もが購入できる金額にしよう。そして、多くの人に届けつつ、一人の人に多くを学んでもらう方がいい、と結論づけました。
その結果、
- WordPressベーシック : 9,800円 30,000円
- インターネットの仕組み : 9,800円 30,000円
- KANSOテーマ : 9,800円 20,000円
- QHM to WordPress : 9,800円 20,000円
となりました。
結果、LFT(ラーニング・ファシリテーター)さんは、「ブレンデッドラーニング」を実現すべく、「教材セットで、ワークショップを安価に」開くことができるようになりました。
また、「耳デミー・毎日が学びと発見」は、「月額2,000円」という価格にしました。これによって、高校生でも(スタッフの一人は、高校生のとき、このオーディオシリーズの前身である「Web寺子屋2010」がきっかけで、今一緒に働いています)、購入できる価格です(あるいは、親が買い与える)。
さらにチャレンジすること
私たちは、さらにチャレンジをしようとしています。それは「ラーニングについて学ぶ」ワークショップを「無料(実費のみ、ボランティアベース)」にしようとしています。
- 学習とは何か?
- 人は、どのように学習しているのか?
- 学習のメカニズムは何か?
- そこから考えて、どう学ぶと良いか?
を知ることは、現代における「識字」に相当します。
心から「誰もが学ぶ必要がある」と考えています。チームメンバーも、この点では全員が一致しています。
だったら「誰もが学べるように、ボランティアベース」で提供しよう!と決め、ワークショップを設計しているところです。これまでは、3日間集中で30万円近くの料金をいただいていたものを、日本全国、あちこちで「ボランティアベース」で学びあう形式に変更しようとしています。
とはいえ、たった14人ですから、同志を増やすことも同時に行う必要があります。 そのことについても、様々なアイデアを出しているところです。
「安かろう、悪かろう」を超える努力をする
これから「チーム toiee Lab」が行うべきことは、生産性の向上です。小さな、小さな「ムダ」を減らすために、プログラミングを学び、教材設計の方法を見直し、プロセスを改善していきます。
それによって、たくさんの教材を、リーズナブルに、提供できるように努力していきます。
まずは、僕が「主な生産手段」ですが、できる限り走って、体系化して、チームにバトンタッチをしていきたいと考えています。
お知らせ
教材のお知らせ
大好評のWordPressシリーズが、お求めやすくなっています。是非、どうぞ
亀田がメールで書いた内容や、そのさらに裏側にあるもの、他にも多くの知識、学び、発見を随時追加している「毎日が学びと発見」の年会員を募集しています。今なら、300近くのオーディオも手に入ります。
ワークショップのお知らせ
今年は、WordPressをやろう!ということで、取り組んでいます。是非、ワークショップにご参加ください。手を動かし、意見交換し、チームで学ぶことで、加速度的に学べます。
すでに教材をお持ちのかたは、割引参加可能な講座もたくさんあります。 是非、どうぞ