我々は何者か、何者であるべきか?

組織の中で、ほとんど問われない重要な問い

こんにちは
toiee 亀田です。

「自分たちは世界を変えられる」と信じる小さなチームを率いる、マネジャーとして、私の経験をシェアしたいと思います。

おそらく、あなたも、大きい声では言えないものの、私たちtoiee Labと同じように「自分たちは世界を変えられる」と、考えているのではないでしょうか?

「ハイハイ、大げさ、大げさ」

という声には耳を傾けず、前に進んでいくために、私にとってとても役立った「問い」を紹介したいと思います。

2500年前から続く、人の悩み

2,500年前、デルポイ(ギリシア)のアポロン神殿に、多くの人が、神託を聞くために、列をなしていました。

いつの時代も、多くの人が「自分の将来」「自分の道」に悩み神からの言葉によって救われたいと願っていました。

そんな大勢の人たちに、神殿に入る前に「答えを教えよう」とある賢者が「文字を刻み」ました。

その文字とは

汝自身を知れ

です。つまり、「あなたは何者か?」それさえわかれば、神託など必要ないと賢者は教えました。

そして、何世紀も経った後に、「汝自身を知れ」を解くための方法 が開発されました。それは、ちょっとした革命だと思います。

「私」とは何か?

どうやって「私を定義するのか?」

ところで、「あなたは誰ですか?あなた自身を説明してください」と言われて、説明しようとすると、

自分を定義する縁起(リンク)

という具合に、「自分以外の何か」でしか説明できません。自分という存在は「周りによって定義」されます。

ということは

「汝自身を知れ」に答えるには、自分を取り囲むものに頼る以外にありません

「願望」も自分を定義するもの

では「あなたを説明する」方法として、やりたいことを使ってみましょう。

私の場合

自分の願望も縁起の一つ

このように考えると、「汝自身を知る」には

の両方を使う必要があります。そして、この「二つをマッチさせた時、初めて『汝自身を知ったこと』」になります。

なぜ、流行りのコーチングが機能しないのか?

すべての「縁起」を使って「汝自身を知る = 自分を定義する」

ところで、コーチング理論の多くでは、

と言いますが、これだけでは、私たち自身を知ることはできません。なぜなら、好きなことだけでなく、現在の自分を取り囲む、環境、チャンス、つながりがあり、その中から、一歩を踏み出す必要があります。

もちろん、思い切ってスーツケース一つで渡米して、何かを始めるという方法もあるかもしれませんが、誰もができることではありません。

結果、「やりたいこと探し」をすると、2500年前に、神託を聞くために列をなした人々と同じように、思い悩み続けることになります。

ここで必要なことは「やりたいことと、自分を取り囲むもの全部をチェックして、機会とやりたいことをマッチさせる」思考です。

そこで役立つ第一の質問が、、、

「何によって覚えられたいか?」

です。

この質問は、自動的に

絶妙な質問です。この質問に、時折深く答えてみることで、私たち自身を知ることができ、そして、チャンスを見出すことができます。

この問いを使って、物事を達成する方法

孔子のいう「道」を歩む方法

さて、「何によって覚えられたいか?」の答えが出たら、後は「三省」をすることです。それだけで、不思議とチャンスが増え、仕事の方向性が定まり、いろんな出会いが生まれます。

三省とは、論語の学而編で

「吾日に吾が身を三省す。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしかと」 — (毎日3度、反省することの意)

というものがあります。

毎日、3度は「何によって覚えられたいか?」の答えと、自分の思考、行動、発言を照らし合わせ、

をその度に考え、自分を律することです。

私は「亀田」という名前だけあって、ゆっくり亀の歩みで進むタイプです。「ひとっ飛び」になにかを達成できるというのは、ファンタジーだと思っています。

本当になにかを達成する人は、現状を憂えるのではなく、「なにによって覚えられたいか?」に対して、今の現状でできる一歩を踏み出す。すると、新しい何かが見える。それを使って、次の一歩を踏む。

そんな毎日の積み重ねを楽しみ、そんな毎日を慈しんでいる人が、人知れず「大きなことを成し、社会を良くしている」のだと思います。

目立たず、すごいことをしている人がたくさんいるから、この世界は豊かだと思います。

先日、世界一の明石海峡大橋を渡りながら、その偉業を支えた名もなき人たちに感激をしました。

あなたは「何によって」覚えられたいですか?

この質問をたまたま大学院生の頃に知りました。そして、時折自分に問うようにしてきました。大学院生の頃の最初の回答は、

「後輩から飲みに誘われたりする気さくな先輩ではなくとも、卒業後、2, 3年後に『あの時、亀田さんに学んだことが今役立っているなぁ』と思い出されたい」

でした。

この答えを出した後は、相手のために「厳しい質問」をしたり、研究の姿勢を問うたり、また自分自身が模範になることを意識しました。

その結果、10年越しに後輩が会社に遊びに来てくれたりします。本当に、嬉しいことです。

同様に、その後も問い続け、今はこう思っています。

「教育に変革をもたらしたチームを育てた人」
「私に、出会う人が『よし何かやってみよう!』と思わせる人」

として覚えられたいと思っています。

あなたのチームは「何によって覚えられたい」ですか?

チームが大きく変わる可能性があります

ところで、この問いは「あなたのチーム」に問うていますか?

チームとして「何によって覚えられたいか?」を決定して、毎日、確認して、自分の思考、行動、発言を律していますか?

私たちのチームも、まだ始めたばかりなので、偉そうなことは言えませんが、すでに「変化が始まって」います。仕事に対する意欲や、発想が変わってきました。

私たちのチームは、まだまだ固まりきっていませんが、こんな風に覚えられたいと思っています。

「ラーニングを武器に、学ぶこと自体を楽しいものに変えたり
自分の可能性を信じられるようになって一歩を踏み出させたり、
自分の人生にYesと言えるようにしてくれたり、
受容される場を創り出したり、
豊かな社会作りに貢献しているチーム」

として覚えられたいと思っています。

このようなチームとして、今日の思考、行動、発言はどうだったか?を振り返ることを始めています。

あなたのチームは「何によって覚えられたいですか?」

チームがギスギスしている時こそ、この問いを発して自分たちを見直すチャンスだと思います。

また、チームが難題にぶつかったら、その時こそ、この問いによって、選択をする必要があります。

あなたのチームは、「なにによって覚えられたいですか?」

さらに問うべきこと

経済面のために問うべきこと

私たちが何かをするとき、「経済面」は、無視することができません。経済面、つまりビジネスとして、「なにをすべきか?」を考える必要があります。

なによって覚えられたいか?がわかれば、次に様々な行動をしてみます。

私たちの場合、

様々なことに取り組みました。

最近だと、大学の先生、私立中学校の先生、ある大手メーカー、航空業界の方と話をしたり、仕事をして、以下の問いをしました。

私たちチームが、様々なチャンスを掴み、多くの人に貢献するには、「何者であるべきなのか?」を考えました。

すると意外にも、

「toiee は研究機関である」

という答えが出てきました。研究機関として、情報を発信し、行動し、発言することで、多くの人に貢献し、自分達の強みを生かせると気づきました。

もちろん、これからも「汝自身を知る行動」は続きます。そして、「汝自身」は変わり続けると思います。

しかし、この3つの問いをし続けることが大切です。なぜなら、私たちは「固定した何か」ではなく、ダイナミックな存在、動的平衡の世界で、何か機能を発する存在です。

そのような自己の定義ができれば、「自在」になるのでは?と思っています。

あなたも、是非、「重要な問い」を発してみませんか?

One more thing

最新技術で、自分を律しよう

ところで、答えが見つかっても「三省」を実行しなければ、何も起こりません。そこで、「最新ツール」を使うことをお勧めします。

  1. リマインダー(iPhoneなどの)
  2. Slack Reminder (チームのコミュニティーツールに)

シンプルに「何によって覚えられたいか?に沿って思考、行動、発言はしているか?」というリマインダーをセットしましょう。

1日に3回、ピコピコと通知が来るようにします。また、チームが使うコミュニケーションツールなどにセットすることで、チームとして「意識」するようになります。





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