学ぶコミュニティを世界中に広げる
私たちが、心から望んでいること、情熱
こんにちは
toiee Lab 亀田です。
娘の夏風邪をもらい、喉を破壊され2週間寝込んでいました。 1週間近く、咳で眠れず、声も出せない状態でした。 (まだ、声が完全ではありません)
開き直って「日常業務を離れ、ビジョンクエストをする」ことにし、
- ビジョナリー・カンパニーシリーズ
- TEAL組織
- ドラッカーの著書
- ゲイリー・ハメルの著書
などの書籍を読み漁り、以下のような問いを行いました。
- 「私たちしかできないことは何か?」
- 「私たちが世界一になれるものは何か?」
- 「私たちが最もうまく世界に貢献できることは何か?」
- 「私たちが真に望んでいるもの、ビジョンは何か?」
これまで、取り組んできたことを、まっさらな気持ち、ゼロベースで考え直した結果、
- チーム学習、学習理論を研究し続け、「学ぶコミュニティ」を世界中に、いくつもいくつも生み出すこと
これこそが、toiee Labしかできない、そして「私たちが、真に望んでいること」だと、洞察を得ました。
※ 洞察(インサイト)とは、自分を説得する必要がない結論のことです
予期せぬ成功と、予期せぬ失敗
オンライン上で、二つの「スクラム」を開催してきました。一つは、「プログラミング」、もう一つは「ラーニングファシリテーション研究会」です。
改めて実感したことは「学習効果」が非常に高いことです。ワークショップに積極的に参加した方は、メキメキと能力が伸びました。さらに、自習勉強会、お茶会などで「友達」になり、専用SNSで情報交換を行い、
- 教えられていないことを、自立して学べるように
なっていきました。
その結果、数人の方は、 キャリアチェンジができました。具体的には、製作代行の仕事を受け、学びながら収入を得ることができました。受注先からは、信頼を獲得しています。
しかも、苦しんで、耐え忍んで能力をつけたわけではありません。学ぶこと自体が楽しく、毎回のワークショップ、自習勉強会では、笑顔、笑顔、笑顔です。
副作用も、素晴らしく良いです。6ヶ月を通じて、お互いに助け合ってきた結果、昔からの友達のように仲良くなっています。お互いに遠く離れていても、旅行で近くに寄ったら、お茶をするほど、仲良くなりました。
もっと素晴らしいことは、「多様性を受容し、お互いに貢献し合うコミュニティ、場」が生まれたことです。年齢、職業、地域、生い立ちが違い、少しずつ考え方も違います。それでも、それを尊重し、その違いがあるからこそ、よく学べるという場が醸成されています。
参加者が口々に言ってくださるのは、
- 「このような学ぶコミュニティが、もっと増えたら素晴らしい。世の中が絶対に良くなる」
- 「子供たちが、このような雰囲気で学べる場があったら最高(早く作ってください)」
ということです。
つまり、予期せぬ成功として、 学ぶコミュニティが生み出せたことです。生まれたら良いなぁと思っていましたが、想像以上でした。
まとめると、他の教育サービスにはない、私たち独自の強みは、
チーム学習 + 様々な工夫によって、
- 学ぶこと自体を楽しくできる
- お互いの違いを理解し合い、だからこそ一緒に学ぶ
- かげがえのない、学ぶコミュニティを醸成できる
ということです。私たちは、単に何かができるようにするための教育ではなく、「人の人生を豊かにする大切な仕事」に携われていることに、とても嬉しく思っています。
スクラムのデメリット
一方で、6ヶ月の長期プログラムでは、たくさんの課題、デメリットも明らかになりました。
大きく分けて3つの問題、デメリットが生まれました。
- 乗り遅れる人が出てくる
- 学んでいる最中に、学びたいものが変わる
- 学習者の「今学びたいこと」に答えづらい
1. 乗り遅れる人が出てくる
6ヶ月もあると、途中で仕事が忙しくなったり、予想していなかった生活の変化によって、学び続けることができなくなる人が出てきました。
例えば、「今回の機会に!」と申し込んだはいいが、スタートの2ヶ月は、年始で忙しくて、何もできなくて、浦島太郎状態になってしまった人がいました。
他にも、ある学校関係の方は、3月末、4月は超多忙で、1ヶ月以上、コミュニティから離れてしまいました。
このように「6ヶ月をフルで参加し続ける」というのは、とても難しいことがわかりました。
2. 学んでいる最中に、学びたいものが変わる
次に、6ヶ月の間、様々なことを学び、チャレンジをしていくと、「学びたいもの」が変わってきます。WordPressで製作代行をすると決めた人は、
- サーバー移転の知識
- 製作代行のための打ち合わせノウハウ
- マーケティングの知識
が、必要になってきます。製作代行というゴールが見えた人は、PHP言語の細かいことを行う前に、上記の3つが学びたい!となります。
このように長期で取り組んでいる間に、「用意されたカリキュラム」が、合わなくなってしまいます。
3. 学習者が「今学びたいこと」に応えられない
何事も「鉄が熱いうちに打つ」と良く学べます。学んでいる最中に、「これ学びたい!」となったら、その学びたいものを「そのタイミング」で学び始められれば、学習効果は何倍にもなります。
6ヶ月のスクラムでは、このような柔軟性を確保するのはとても難しいです。もちろん、最大限の努力はしました。
プログラミング・スクラムなのに、マーケティング4.0を学んだり、わかりやすい文章のワークショップを開きました。
しかし、やはり限界があります。
ミニ・スクラムの「予期せぬ成功」
このような課題が明らかになる中、新しい取り組みをしました。それが「ミニスクラム」です。
ミニスクラムは予想に反して、すごく盛り上がっています。期間は1ヶ月です。短いためカリキュラムもシンプルになります。そして、学ぶ側も「気軽にスタート」できます。1ヶ月で終了するため、出遅れたら「次の機会」に参加することができます。
1ヶ月のシンプルなスクラムなので、自分が「今学びたいテーマ」のものに、同時に複数参加することができます。つまり、「今学びたいもの」「今必要と思うもの」を選びながら、学び続けられます。
もし、本格的なスクラムだと、こうは行きません。6ヶ月取り組むぞ!とコミットして、相対的に高くなる参加費を支払い、食らいつく必要があります。学ぶものも多様さを確保できません。
ミニスクラムという「サイズを小さく、シンプルにする」小さなイノベーションによって、「真の学習者中心設計」を実現できる可能性が見えました。
真の学習者中心設計 = 大学の聴講生
この2週間、風邪で寝込みながら「あらゆることを白紙」から考え直すことにしました。最新の「予期せぬ成功」も参考に、あらゆることを疑って考え直しました。
その結果が
- 「ラーニング・コミュニティ × 複数のミニ・スクラム」
です。
イメージとしては「大学の聴講生」です。
スティーブ・ジョブズが学んだ方法
スティーブ・ジョブズは「養子」でした。彼が養子に出される時、生みの親は、養子先に「大学を通わせること条件」に出しました。その約束を守って、スティーブ・ジョブズの親は、高い学費を支払い、ジョブズを大学に通わせました。
ところが、大学に進学したジョブズは、「ここにいる意味がない」「授業が面白くない」 「しかも、親に多大な負担をかけている」ことを気に病んで、退学しました。
退学したジョブズは、大学の「聴講生」になりました。
学生は成績を取得するために、必ず授業に出席し、課題をこなす必要があります。決められたカリキュラムに従って受講する必要があります。ところが、聴講生は「自由に、好きな授業を聴講」することができます。
ジョブズは、自分の興味の向くまま、様々な授業を受けました。学部の垣根を越えて、あらゆる分野を学びました。
それが、世界を変えるようなイノベーションの種になりました。
(詳しくは、スティーブジョブズの伝説のスピーチをご覧ください。本当にオススメです)
ジョブズが、学んだ方法こそ、ごく自然な方法です。興味、関心、情熱に従って、興味のある「ミニスクラム」に飛び込む。そこで、ともに学びあう友人を作る。そして、また次のミニスクラムで出会う。そうやって、「あなたに本当に必要なスキルや知識」を自分で構築していく。
これこそが「理想」だと思っています。
既に実現し始めています
このような「学ぶコミュニティ」は、実は既に動き始めています。toiee Labの中ではもちろんのこと、
- タイ
- ナイロビ
- ドイツ
- イギリス
- (もうすぐ)スロベニア
世界中に、広がり始めています。
参加者は、伝統的な農家、社会起業家、育休中のママとその旦那さん、SE、サッカーコーチ、ダンサーなどなど、多種多様です。
既に現実は立ち現れています。あとは、toiee Lab が「チーム学習にフォーカス」して「学ぶコミュニティ」を作ることにフォーカスするだけです。私たちが、コミットするか、しないか、それだけだと思います。
学ぶコミュニティを醸成し、その中で、様々なテーマのミニスクラムが開催されていて、「自分が今学びたい」と思ったものに参加し、学ぶ。自然で、情熱に従う学び方を実現できると確信しています。
そして、このような学ぶ方法を、子供達にも広げたいと思っています。子供達は、好奇心の塊です。それを無理やり押し込めて、意味もわからない状態で、熟語を覚えさせたりするのではなく「興味、関心、情熱」で、学びたいものから学び、広げていく。そんな教育を実現したいと願っています。
一緒に「学ぶコミュニティ」を作りませんか?
私たちは、世界を支配したい、市場を独占したいという欲は全くありません。そもそも、そんなことは不可能ですし、傲慢です。私たちのゴールは、
- 学ぶコミュニティを世界中に生み出すこと
です。
例えば、「ある地域コミュニティで、学ぶコミュニティを作る」や、「町クラブのサッカーコーチの学ぶコミュニティ」など、多種多様なコミュニティがあるべきだと考えています。
従って、私たちと同じように「学ぶコミュニティ」を生み出したいと思ってくれる方には、
- ラーニングの理論
- スクラム教材、ミニスクラムの進行方法
- 学ぶコミュニティの運営方法
- システム
を提供していきたいと考えています。お互いに情報交換して、切磋琢磨して、新しい学びを「当たり前」にしたいと考えています。
もし、あなたが「学ぶコミュニティ」に興味がありましたら、以下のリンク先のフォームにて「学ぶコミュニティ・ニュースレター」にご登録ください。
ニュースレターでは、最新の実践例、運用ノウハウ、WordPressプラグインの紹介などを行っていきます。
また、特別な「スクラム教材を使える権利」に関しても、詳しくお伝えします。
あなたの参加をお待ちしております。 (メールアドレスを登録するだけでOKです。ニュースレターが届きますので、お楽しみに)
追伸 :
私は、「チーム学習メソッドによって、良い学ぶコミュニティー」が広がり、当たり前のものになった時、世界は変わるし、人類が進化すると思っています。
世界に誤解が蔓延し、ナショナリズムに傾倒し始め、極右・極左の政党が支持を集め始めています。世界はグローバル化の結果、分断も進みつつあります。
もし、国を越えて学びあうコミュニティがつながれば、グローバル化を厄災ではなく、大きな前進に変えることができると確信しています。
私は、大学はずいぶん前にやめましたが、研究者のモットーである「研究とは、人類の進化に貢献すること」は忘れたことがありません。どんな小さなことでも、いつも「人類の進化」という妄想に近い、嘲笑されそうな目的意識を持って、仕事をしてきました。
もし、あなたが
- 学ぶコミュニティ
- チーム学習メソッド
に興味がありましたら、ニュースレターにご登録ください。 伝えたいことは、山ほどあります(笑)。