教えられるのではなく、共に学ぶ
Teaching to Learning
前回の記事は、2つに意見が分かれます。
マーケティング・スクラムの成果と、toiee Labの失敗談
現在、マーケティング・スクラムが盛り上がっています。 今日は、スクラム自体の成果と「教訓」 ...
A: 「マーケティング4.0を実践できていないやつが、偉そうに授業をするな。素人から学ぶわけがない。もちろん、TEAL組織のスクラムがあっても、絶対に参加しない」
B: 「すごく共感した。これまでの人生を振り返ったら、いつも学ぶことを楽しめていたとき、前進していた。答えは自分で考えなければならない。だから、深く学ぶ仲間と会えるのは、ワクワクする」
私たちは、誰なのか?
繰り返しになりますが、私たちはマーケティングの専門家ではありません。また、専門集団になろうともしていません。
現状では、マーケティング4.0を共に学び、できることから実践し、振り返り、改善をしている段階です。
当然のことながら、マーケティング4.0の最高峰でもない。最高峰は、F.コトラー自身や、その仲間だと思います。
このような厳然たる事実を自覚しています。
だからこそ、コトラーから直接学ぶ
専門家でもなければ、世界最高峰に近いわけでもない、実戦もできていない。だからこそ、
- 共に、コトラーから直接学ぶこと
を大切にしています。
もちろん、「直接」といっても、コトラー自身を招いて講義をしてもらうわけではありません。おそらく、高額になるでしょう。しかも、内容はかなり難しくなります。今の私たちでは、学びきれないものになるでしょう。
しかし、幸いなことに2つの道具があります。
- コトラーの知識の体系である「書籍」
- Creative Team Learningメソッド
コトラーの本は、深く読めば、いくらでも深く読めます。読むたびに新しい気づき、発見が得られます。
この書籍を一人で、何度も読んで、深く掘り下げるには、相当の忍耐力、知力を要します。ストイックに取り組める人でないと難しいでしょう。
しかし、一人ではなくチームで学べば状況は一変します。
多用な知識、分野、経験を持つ人々で集まり、具体事例をたくさん出しながら、議論し、分かりやすくまとめ直すなどの「クリエイティブ・チーム・学習」をすれば、「学ぶこと自体を楽しめ、深く探求することにワクワク」するようになります。
それが可能だと考えています。
先生は知識体系で、私たちは共に学ぶ仲間
何度か触れてきましたが、toiee Lab 発足のきっかけは、「放課後のカフェで、難しい本を起点に問いを投げかけ議論する」活動です。
あのころから、方法論は大きく進化しましたが、やっている本質は変わりません。
まず、先人の知識体系を用意する。そして、彼らの視座、彼らの考え方になるべく沿って、読み解いていく。スピードをあげて、効率化をするのではなく、深くゆっくりと楽しむことで、逆説的ですが、早く到達することを目指して
- 先生はガイド役(ファシリテーター)になり、全員で協力して学ぶ
一人で学ぶよりも、たくさんの視点で、多用な経験談や問いによって学ぶ方が楽しく、効率的で、効果的です。
今の私たちができる最高のこと
私たちができる、そして「これからの新しい学び」とは、
- 知識の体系をハウツー化するのではなく、知識体系そのものをテキストにし
- チームでクリエイティブに探求し学ぶ
ことです。
これからも、私たちはマーケティングの素人だと思います。正確な表現をすれば、「初心者」のままでいたいと思っています。
初心とは「何度も触れているもの、行なっているものにもかかわらず、まるではじめて触れる、行うような気持ちで取り組むこと」を指します。
何度も、何度もマーケティング4.0のワークショップを開こうが、毎回、初めて学ぶ人、初めて触れる人のような感覚で臨みます。
その結果、たくさんの発見、学ぶ喜びがあると思っています。そして、私たちが、学ぶこと自体を楽しんでいれば、それが伝染すると確信しています。
あるがままでないと、学べない
完璧な自分であろうとするのではなく、
- 未熟な自分を受け入れ、それでも一歩を踏む
そんな姿勢を持つ先生たちのことを、私たちは「恩師」と呼んだりします。あるいは、憧れではなく、心から慕う先生、メンターです。
残念ながら教育の世界では、先生本人、周りの人間も怖れからスタートし、完璧、できている自分を演出したり、相手に求めたりします。
その結果、「共に学ぶこと」を阻害しています。
お互いにもっと肩の力を抜いて、立場を忘れ、「うわ、こんなことがあったのか!面白い!」って喜びあえれば、全く違う世界がはじまると思っています。
また、このような考え、姿勢は子育てでも有効です。親も完璧ではない。絶対に正しいわけではない。時には、感情的になって、過剰に叩いてしまうこともあるでしょう。
多くの親は、「(子供に対して)あなたが、悪いんだから」とします。確かに、特定の事柄については、子供が悪いでしょう。
しかし、過剰に叩いたことは、親側の未熟さが招いた失敗です。それについては、一人の対等な人間として、謝り、許してもらうことが必要です。
子供は、言葉よりも、親の頭の中や、姿勢、一貫性を見て育ちます。つまり、背中を見て育ちます。
もし、親も完璧な親を演じなくなり、未熟な部分を共有し、チームで学ぶように共に成長できたら、最高の時間を共有できるはずです。
私たちは、ラーニングファシリテーションのための原則や、考え方、具体的な行動を多くの人とシェアしたいと思っています。
そのためには、理論そのものだけでなく、具体的な分野(マーケティング、WordPress、プログラミング、組織運営など)でも、チーム学習を広げたいと願っています。
もちろん、子供向けの塾も将来やりたいなとも、思っています。
余談が過ぎましたが、肩の力を抜いて、楽しめるところをさがし、未熟な自分を受けいれ、怖れを抑圧するのではなく見つめて、一歩を踏み出す。
学ぶこと自体を楽しむ勇気をもつこと、それが大切だと思います。
追伸:
素人、初心と言い続けましたが、前進を止めるつもりはありません。
コトラーさんや、専門家に追いつくことは難しいでしょう。しかし経験を積み、向上する意思は強く持っています。
また、私たちは「ラーニングを設計する、ファシリテートする」ということについては、最先端を走ろうという意思があります。
学習理論のために取り扱う知識は、偶然にも流行り(というと失礼です。新しい時代の始まりの象徴)のTEAL組織と、ほとんど同じです。具体的には、
- 複雑系の科学
- システム思考
- インテグラル理論
これらをベースとした学習の定義、ファシリテーションの定義、ラーニングデザインの体系、実践は最先端と自負しています。
しかも、オンラインを積極的に活用することにおいても、先進的だと考えています。