ファシリテーション・レジュメ

思考の「ハノン」を始めよう

フレームワークや、思考の道具の前にすべきこと

ある人から、社員教育には「どの講座が一番いいですか?」と聞かれ、即答したものが「クリエイティブ・クエスチョン講座」と即答しました。

理由はシンプルです。
「全ての基礎」になる思考力が身につくからです。

ハノンを練習せよ

ピアノには「ハノンの練習曲」というものがあります。 すごく単調で、退屈で、嫌になる練習です。

しかし、このハノンこそ、ピアノの演奏力を飛躍的に高める重要な練習です。

ピアノは五本の指で引きますが、それぞれの指は「筋肉に強い、弱い」があります。 例えば、親指や人差し指、中指は強いでしょう。一方で、薬指、小指は弱いです。

すると鍵盤を叩いた時に「小指の音だけ、弱々しい」ということが起こります。 それを防ぐために、余計な力が入ったり、姿勢が崩れると、うまく弾けません。

そこで「指の筋力を満遍なく鍛える」ことがとても大切です。
それが「ハノンの練習曲」の役割です。

ピアノの演奏力の「底上げ」を行うための非常に重要な練習です。

大切な練習ほど、おろそかにされる

こんな大切な練習ですから、ピアノをする人たちは皆、真剣に取り組んでいるか?いうと 多くの人は、やりません。

原因は「退屈だから」というのもありますが、一方で「そんな重要なものだと知らない」ことも多いです。

例えば、「とにかくやりなさい」と頭ごなしに言われただけの場合も多々あります。

つまり、「退屈」以上に、「その重要性を認識していない」ことが、一番の原因です。教師の役割は「本当に重要な練習をすべき意義を伝え、本人に考えさせること」ですが、多くの場合、伝わっていないようです。

メソッドの前に学ぶべきこと

ところで、現代に生きる私たちが仕事で成果を出すには、 セルフマネジメント、マーケティング、イノベーション、デザイン思考・・・ 様々なことを学ぶ必要があります。

しかし、「マーケティング」を学ぶためには、相応の思考力が必要という事実です。 思考力がなければ、マーケティングの定義を「適当になぞって、わかったつもり」になります。

あるいは、USP(独自のうり)を考える時、 様々な具体例を見て、なんとなく真似して、いい感じに作ってよしとします。 そのような上部の理解で作ったUSPは、ほとんどの場合機能しません。

つまり、マーケティングを深く理解し、 そして実際に行動に起こすには、「基礎となる思考力」を高めておく必要があります。

思考力を高める筋トレとは?

では、どうすれば思考力は高まるでしょうか?
いわゆる思考という力を養う筋トレに当たるのは、なんでしょうか?

それが「クリエイティブ・クエスチョン」という形でまとめた「5つの問い」です。

この5つの問いを、通勤、通学、暇な時、寝る前などに
「ちょこちょこ、遊びでやってみる」ことが、思考力を高めます。

        (1) 子供の問い  
        (2) 哲学者の問い  
        (3) デザイナーの問い  
        (4) 芸術家の問い  
        (5) イノベーターの問い

15年も前に生まれました

このクリエティブ・クエスチョンは、今から15年前に生まれました。 当時、大学院生だった私は、一流の研究者と一緒に研究する機会に恵まれました。

そして、私は、彼らが、どう思考しているのか?を観察し、その思考パターンを分類しました。そして、その思考パターンを身につける「トレーニング」を考えました。

それが、この5つの問いの原型です。

そのトレーニングを、面白がって自分でやって見たり、後輩に教えたりしました。すると、面白いように研究のための高い思考力が身についていきました。

今、若いチームを率いいています。 かれらに、クリエイティブクエスチョンを練習させると、どんどん思考力が高まっているのを目の当たりします。

特に「哲学者の問い」は、自分が物事を曖昧に捉えていることに気づかせ、しっかりと定義して話を進める、いわゆる「論理的に話す」ことに非常に役立っています

遥か前から、準備する

ところで、もし、あなたが多くの人の前でプレゼンテーションをしたいとします。 本気でしたいと思えば、まだその機会が与えられていなくても、練習しますよね?

機会がったら、人前で話して見たり、本を読んで勉強したり うまいプレゼンターを分析したり・・・本番の遥か前から、取り組んでいるはずです。

では、あなたは「マーケティングを学ぶ本番の遥か前」から、 その準備をしているでしょうか?

ある日突然、難しい概念を学べるようになることはありません。 やはり、筋トレをしておくに越したことはありません。

つまり、クリエイティブ・クエスチョンは「早く始めれば、始めるほど良い」と私は考えています。

この思考パターンは、5歳からでも取り組めます(もちろん、形は変えます)。

いわゆるIQが測る類推力、分類力、論理の展開力、仮説力を高める働きがあります。これらは、研究には必須の思考力ですが、現代を生きる私たちが成果を出すには、欠かせない能力です。

まだ、クリエイティブ・クエスチョンを聞いていない方は、是非、お聴きください。

そして「これはいい!」と思われたら、すぐに「思考力を高めるハノン」を始めてください。

きっと3年後に、「あの時、始めていてよかった」と思っていただけると自信を持っています。



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