ITサポートと、ティール組織
ITサポート事業の続報です。
実際に利用してくださった方々や、友人知人を通じて、様々な人にインタビューしました。その結果、以下の4つのことが分かりました。
- なぜ、toiee Lab が行うのか?が気になる
- WordPressの基本的な操作ぐらいは、 自分でできるようになりたい 。頼むなら、もっと難しいことや、面倒なことだけにしたい
- チケットを事前にまとめ買い(あるいは、定期購読)ではなく、 困ったときに、その都度で雇いたい
- 売り上げアップ、SEO、販売などのための ITの活用について相談 したい
どれも、顧客目線で考えれば、当然のことです。とはいえ、実現するには「イノベーション」が必要です。
しかし、解決策は考えました。以下、説明します。
1. なぜ、toiee Lab が、ITサポート?
最近、少しずつですが「ティール組織」として、動き始めました。
ティール組織とは、2018年のビジネス書ベストセラーで、経営にブレイクスルーをもたらすものです。
著者が3つの突破口と呼ぶ「自主経営」「全体性」「存在目的」という特徴があります。
この著書を読み解く視点が2つあります。1つは「インテグラル理論」、もう一つが「複雑性の科学」です。私の場合、大学で研究していた分野とかなり重なるため、ワクワク、ドキドキして読めました。
・・・と、続けるとティール、複雑系、インテグラル理論について詳しく書いてしまいそうなので、それはまた別の機会に。
とにかく「ティール組織」として、現場で感じたことを「各自が実行」するスタイルをスタートしました。その結果、生まれたのが「ITサポート」です。
教育から、ITサポートに転身?(ではない)
私たちは「エリート向けの教育」ではなく、普通の人たちあるいは、「学びたかったけど、学べなかった人たち」のための教育を目指しています。
学べなかった理由は、経済的なものから、忙しさ(子育て、仕事など)、能力(単に学び方に問題があるだけ)など様々ありますが、それらを解決することを目指してきました。
その結果生まれたのが「メタ探求型学習」という学習理論、ラーニングファシリテーション、オンラインワークショップ、スクラム・ラーニングなどです。
最近では 「オンライン・ワークショップの録画」 が、最高の教材になることを発見しました。
こうやって「教育」にフォーカスをして、取り組んできたチームが 「ITサポート」を手がけることに、「なぜ?」 と思われるかもしれません。
現代における「識字」に相当するもの
いわゆる「読み、書き、そろばん」を現代に当てはめてみると
- 読む = 学ぶ力
- 書き = コンテンツを作り出す力(プレゼン、文章、企画など)
- そろばん = IT
に当たります。
ITができなければ、あらゆる面で不利益を被ります。
10月から増税ですが、「キャッシュレス」(LINE Pay、ペイペイなど)を使うことで、場合によっては、増税前よりも割引で商品・サービスを購入できます。ここで重要になるのが、
- スマホにアプリを入れて、設定する
- スマホで、素早く支払いアプリを起動する
などの「ITスキル」です。
さらに、ITは「情報が玉石混交」になりやすいため、「一次情報」に遡り、整理する能力が必要です。レンタルサーバーや、WordPressも「一次情報」に遡れば、正しい情報を素早く手に入れられます。
それにも関わらず「読めない、わからないと決めつけて」、広告料、アフィリエイト目当てで、適当に書かれた(場合によっては、コピペで編集)情報を読み、混乱する人が多いです。
なお、消費者(買う側)向けの一次情報はこちらです。
https://cashless.go.jp/consumer/
ITが分かっていれば、増税をチャンスに変えられる
事業者(ビジネスをする側)は、このような変化を知って、消費者に「使い方を教えるぐらい」のレベルでなければ、ビジネスはやっていけないでしょう。先生と呼ばれる職種も、ITができないだけで信頼を落とします(あとは、英語が全くダメなのも、信頼を落とします)。
なお、ビジネス側は、こちらをどうぞ
https://cashless.go.jp/consumer/
最終的に申請を完了させたら「店舗に「割引使えます!」というシール」を張り出すことが可能になります。
キャッシュレスによる還元一つを例に取ってもわかるように、「現代の識字(そろばん部分)」は、ITです。
ITがわからなければ「読み書き」の能力が制限されます。それは、ビジネスにおいては、大きな制約(障害)になります。
実際、スクラム参加者の「ほぼ全員」が、ビジネスを発展させるために「プログラミングやWordPress」を学んでいました。そして「1度しか必要がないことも学ぼうとして、四苦八苦」していました。
また、同時に参加者の中で「キャリアの再開」「定年後の仕事」のために、WordPressやプログラミングを学ぶ人もいました。
このような状況を目の当たりにして、チームの中から「ITサポート・チームを編成する」アイデアと、情熱が生まれました。
そして、スタートしたのが「ITサポート」です。
2. WordPressで編集ぐらいは、、、
私たちは、ほとんどのビジネスパーソンは、可能ならWebを外注したいのだと思っていました。外にお願いできるなら、まかせたい、自社でやりたくないと考えていると思っていました。
しかし、意外にも 「ブログと投稿、ページの追加など、基本的なことは自分たちでやりたい」 と言われした。
外にわざわざ頼むほどでもないし、頼んでも時間がかかるし、コストが発生する。ささっと、自分たちでできることなのに、わざわざ、頼みたくない。
税理士業務と似てきた「製作代行」
なるほど、私たちが「税理士を雇いたくない」と思うのに似ています。
私たちは、売上はすべてオンラインで行っています。現金を受け取りません。しかも全部システムになっています。また、備品の購入も、経費も給与の振り込みも、ほぼオンラインです。ややこしい売り掛け系もありません。
シンプルで、オンラインなので、全自動化できるはずです。
そのため全自動化をお願いしているにもかかわらず、どの税理士さんも、最終的に、いろんな理由をつけて「オフラインのソフト」になります。
毎月3万円払ってますが、ほぼ仕事を依頼することがありません。
50万円(1年間の費用 + 決算に15万円払う)を払って、WooCommerce と freee (会計ソフト)を連動させたいと思います。こちらの場合なら、コストというより「投資」に感じます。
自分で勉強したい
地デジになってから、テレビは設定が必要になりました。B-casカードを挿入し、地域を特定し、電波を受信します。難しく感じますが、ガイドの通りにやるだけです。仕組みが分かっていれば、不安もありません。
このテレビの設置にお金を要求されたら、「いやいや、やり方を教えて。自分でやるから」と思います。
WordPressの基本的なことは「自分でできるぐらい簡単」だと、多くの人が感じています。そして、それは本当です。
このような要望を聞いて、ITサポートではなく「WordPressの教育」も、しっかりと届けようと思いました。
3. 困ったとき、その時にだけ、雇いたい
次に、これも「顧客目線」になれば当たり前ですが、、、、。
毎月、何らかのトラブルに巻き込まれるわけではありません。普段は、何も起こりません。それにも関わらず、
- 5万円でサポートチケットを、先に買っておく
というのは、「チャージした電子マネーが、ずっと使わず、無駄になっている」ようなものです。利子でも付くなら良いですが、単純に「在庫」です。
実現には、時間が必要
では、「トラブルが起こった時」に、問い合わせをしてもらい、その都度で「金額を決定し」対応するには、2つのことを解決する必要があります。
- たくさんの人に「ITサポート」を知ってもらうこと
- 対応できるスタッフ・ネットワークを持っておくこと
少数の人から「ポツリ、ポツリ」と依頼がくる状態だと、とてもじゃないですが、事業化はできません。毎日のように、依頼がやってくる状態を作ることで、スタッフを増やし、教育し、仕組みを作れます。
毎日、何らかの依頼が届くような状況を作るには、「たくさんの人に、ITサポートの存在」を知ってもらうことが必要です。
時間はかかりますが、方法はシンプルです。
ポツリ、ポツリの依頼をテコに「コンテンツマーケティング」と「アンバサダーマーケティング」をすることです。
コンテンツマーケティングの実践例
ITサポートを1件に対して、まとめ記事を1つ作ります。これをブログに掲載します。サポートノウハウを貯めつつ、これを公開します。
例えば、ロリポップでトラブルがあり、結局XServerに乗り換えたとします。このサポートを行う際に、ロリポップで具体的にどんなトラブルがあって、それを解決する方法がどんなものがあり、そしてXServerにするメリットなどをまとめます。さらに、移行するための手順や注意点やステップをまとめます。
このような記事をアップしておくと、「困っている人が、ピンポイント」で見つけてくれます。しかも、1ヶ月に換算すると、かなりのトラフィック(アクセス)を稼げます。
また、Googleでも上位をキープできるようになります(実例をいくも持っています)。
もし、訪問者が記事を読んで「解決」したとします。それは「信頼を勝ち得た」瞬間です。そして、もし次のトラブルでも、同じサイト(私たちのサイト)を見つけ、解決したとします。
2回、3回と同じサイトで解決すると、フォローするようになります。フォローという技術を持つ人は、いわゆるネティズン(詳しくはマーケティング4.0・コトラー著をどうぞ)です。
もし
- 「最新のニュースを週一回、自動でお届けいたします。ニュースレターにご登録ください」
- 「2019年版・マーケティングに大活躍するWebサービス 10選」無料登録でeBook読めます
などのオファーを出せば、何度か閲覧して信頼していたら、あっさり登録してくれます。常に「ニュース」が届いていたら、
- いざというときに、私たちのことが意識に上る(マインドシェアと言います)ようになります
アンバサダーマーケティング
このネティズンは、積極的に口コミもしてくれます。周りで困っている人がいたら、
- このサイトをフォローすると良いよ
- この記事、役立つからどうぞ
- 記事にコメント、いいね!ボタンを押す
など、良いものを広げようとしてくれます。結果、広告費用をかけるよりも、安く、早く、遠くへ広がっていきます(最初は時間がかかります)。
とにかく、地道に
やるべきことは分かっています。
とにかく地道にやっていくしかないと考えています。
- サポートを常に募集する
- その場で相談し、必要な分だけ費用をいただく
- 1つのサポートに対して、1つのコンテンツ(知識)を作り、ブログに載せる
- オファーを用意する
以上を継続して行うことで、需要を増やし、新しい働き方を求める方々(主にキャリアを諦めた女性、ママ)に、仕事を作り出せると考えています。
なお、マッチングビジネスを行うつもりはありません。スタッフは全員、雇い入れて、「掛け替えのない信頼関係を持ったチーム」「お互いに頼りにしあうチーム」を作って、サポートをしたいと考えています。
一人で仕事をするより、組織の方が何倍もできることが増えます。
また「働く」というのは、お金をもらうだけでなく、自己実現の機会であり、成長の機会を得ることです。一人だとリスクも、分散できませんし、あらゆる仕事を一人でこなす必要があります。
組織を作り、チーム(ティール組織的な)を作ることで、最高の仕事場、仲間を生み出したいと考えています。
とにかく「随時募集」として、小さく継続します。
詳細は、またお知らせします。
4. 戦略立案、実行を相談したい
今回、直接お会いしたことがない方々から
「このサイトを見て、アドバイスをいただけませんか?」
「オンラインで集客ができるようにしたいです。どうしたら良いでしょうか?」
「SEOをしたいのですが、何から手をつけていいかわかりません」
「toiee Labがやっているようなコンテンツ配信、自動化を実現したいのですが、どうしたら良いでしょうか?」
などの質問をいただきました。
これはITサポートではなく、「マーケティング・コンサルティング」です。
私たちが駆使する様々なツール(Buffer、Yoast SEO、Zapier、HelpScoutなど)は、とても便利です。これらは、コストではなく「投資」です。ビジネスを前進させ、収益を増大させる鍵です。
マイナスを「プラス」に変える
トラブル解決は「マイナスを、ゼロ」に戻すだけです。
しかし、攻めのIT活用、つまりマーケティングの実践は、「マイナスをプラスに」変えていきます。
Webサイトを持っていないと、信頼されないので持っているだけで、売り上げが出ていない場合、マイナスです。毎月、出費が痛いと感じます。しかし、それが「ビジネスの重要なパーツ」になれば、投資対象になります。より良いレンタルサーバーに引っ越そうという気にもなります。
さらに、システムを強化し、デザインを強化し、コンテンツを充実させようとも思うでしょう。
「ITを活用して、マーケティングを実践すること」は、現代ビジネスにおいて、成否を分けます。
小さく、相談できるマーケティング・コンサルティング
以上のことは、私に説明されるまでもなく、ビジネスパーソンなら、誰でも知っていることです。当たり前、常識でしょう。
では、「実際に実行できているか?」と言われれば、「はい」と答えられる人の方が圧倒的に少ないです。
なぜ、実行に移せないのか?
原因はシンプルです。タスクサイズが大きすぎるからです。タスクサイズは、実行プランと言い換えても良いでしょう。実行までの知識、行動が「壮大すぎる」ことで、行動が起こせません。
例えば、有名なマーケティング・コンサルタントの「講演・講義DVD」を購入します。これを観るために勉強時間を確保します。そして、長々と「概論」から始まり、「派生の話」を色々と聞きます。頭の中には、いろんな夢が広がります。
しかし、いざ取り組もうとすると「何からやったらいいの?」「成功が約束される方法はどれ?」と混乱します。
そこで「直接相談できないか?」と思って調べてみると、最低でも100万円から(ある有名なコンテンツマーケティングの会社は、最低300万円かららしいです)です。
十分なスタッフ、資金、会社の規模があれば、十分に検討の余地があるでしょう。「300万円ぐらいは、普段の販促、広告で使っている」という会社も多いでしょう。
その場合、検討する余地があります。
しかし、圧倒的多数の「個人事業主」「フリーランス」「中小企業」にとっては、大きな賭けになります。
したがって、もっとシンプルで、小さなことから始めて、少しずつ大きくすることが必要です。また、「テスト」をすることも大切です。何事も、「絶対にうまくいくこと」なんてわかりません。
必ず「小さなテスト」を行い、継続的に「計測」して、徐々に発展させていくことが必要です。
実は、マーケティングのコンサルティングよりも、「マーケティング行動」を継続できるように支援する「コーチング」の方が必要とされています。
ということで、ITサポートだけでなく「小さなマーケティング実行」と「そのコーチング」も含めていこうと考えています。
道は長いけど、楽しみ
まずは、
- 常にサポートをオープンすること
- 一人一人をしっかりサポートすること
- ナレッジを公開していくこと
- それらをまとめ上げること
を地道に行います。
それと同時に、「教育」にも、ますます力を入れていきます。
私個人は、「ティール組織」を形作るために、オーナー兼CEOとして、「あり方、姿勢」を常に意識していきます。ITサポートについては「教育係」として、しっかりサポートします。
一方で、プレイヤーとして現場で「亀田が設計、亀田がファシリテーション」を行い
ます。今までは、スケール(大きくすること)のために、いろんな手を打ってきました。
しかしながら、一気に大きくすることはできません。
何事も、目の前の小さな一歩に「心を込める」ことから、全てが始まります。原点に帰って、
- ラーニングを設計した本人が、まずファシリテーション(授業)する
- その様子を録画して、共有する
ことからスタートします。
それでは、また近況報告いたします。
toiee Lab 亀田