といリブで勉強会を開催しよう
開催方法ガイドラインを作成しました
toiee Labの林です。
先日報告した2回のといリブ勉強会を含め、計5回といリブ勉強会を自ら開催しました。開催する中で毎回のフィードバックから微調整を行い、といリブ勉強会開催のための、現時点でのガイドラインを作成しました。
今後といリブ勉強会の開催を考えている方は、開催前に必ず目を通すようにしてください。
以下は目次です。
1.準備について 2.進行について 3.心構え 4.具体的なコツ 5.環境の準備
1つずつ説明していきます。
1. 準備について
開催前に行う準備について記します。まとめると、以下の5点の準備を行うことになります。
- といリブ(lib.toiee.jp) - 資料 - WiFiへの接続 - 予習 - 参考になる本や、ワーク時に探求のヒントになる図や物
【といリブ】
といリブにログインしましょう。メールアドレスとパスワードを入力することでログインできます。勉強会が始まる前にログインして、開催する勉強会の教材を画面を開いておくことで、スムーズに勉強会を始めることができます。
【資料】
資料を人数分準備して、バインダー、クリップ、ホッチキスなどでまとめたのち、あらかじめ各席に置いておきましょう。
【WiFiへの接続】
といリブのビデオはWiFi環境がなければ再生できません。ワークによってはインターネット環境を必要とします。WiFiに接続できていることを必ず確認しておきましょう。
【予習】
教材、ワークビデオには一度目を通しておくと良いでしょう。
特に、IT系の場合は必要なアプリのインストールやセットアップがある場合があります。参加者がインストール・セットアップに困っている時にサポートできるように、事前に自分でも行っておきましょう。
最も気にになるのが、「うまく進行できるかどうか」だと思います。そもそも、うまくやろうとしなくて良いのですが、それでも、不安があると思います。
その時は、当日をイメージして、実際に動画を再生して、シュミレーションを何度か行いましょう。シュミレーションをしたことが自信にもなるはずです。
【+α】
参考になる本や、ワーク時に探求のヒントになる図や物を会場に設置します。基本的に、といリブの教材に記載されていなければ、用意しなくても勉強会は成り立ちますが、あれば探求が深まったり、ヒントにできますので、可能であれば用意しましょう。
以上で準備については終了です。
2. 進行について
進行方法は以下の3ステップです。
⑴勉強会の始まりを宣言する ⑵ビデオを再生する ⑶ワークを行う
以上を設定した時間の中でワーク毎に繰り返します。
⑴勉強会の始まりを宣言する
参加者が全員集まったところで、勉強会の開始を宣言します。
そして、「講座」ではなく、といリブという教材を使った「勉強会」であること、自分は講師ではなく、共に学ぶ学び手であることを明示します。
例えば、次のように伝えます。
- 「今から◯◯勉強会を始めます」
- 「今日は、といリブという教材を使って、勉強会という形で学びます」
- 「勉強会なので、講師はいません」
- 「私自身、◯◯については素人ですが、◯◯を学ぶことができたら楽しいだろうなと思って、勉強会を開催しました」
- 「なので皆さんと一緒に◯◯を学ぶことを楽しみたいと思っています。宜しくお願いします」
長々と自己紹介をするのではなく、自分の名前と、上記のような挨拶にとどめて、ワークに入りましょう。
⑵ビデオを再生する
画面例:といリブ「ジョブ理論」iPad バージョン
開始を宣言したら、ファシリテーターがワークの説明をしている動画を再生します。「どのようなワークなのか」「何をすればいいのか」を確認しましょう。
再生が終わったあと、一言、「何をするか、わかりましたか?」など確認すると、参加者も安心して学ぶことができます。
わからなければ、もう一度ビデオを観たり、他のわかった人に説明してもらうなどしましょう。
⑶ワークを行う
ビデオを観て、ワークの進め方がわかったら、早速ワークに取り組みます。時間を計ることを忘れないようにしましょう。時間がくると音がなります。
タイマーのセット方法
3度まで音を鳴らすように設定できます。活用シーンとしては、例えば、1st Bell、2nd Bell、3rd Bellをそれぞれセットして、
- 1度目のベルが鳴ったら振り返りをする
- 2度目のベルが鳴ったらもう一度ワークに取り組む
- 3度目のベルが鳴ったら、ワークを終える
といった具合に活用します。
設定例
便利なので、事前に使い方を練習して、活用しましょう。あとは、⑵と⑶を、ページの上から順に繰り返していくだけです。
進行の方法は以上です。
3. 心構え
進行は、一度やってしまえばわかるので、リハーサルをしたり練習勉強会を開いてみれば問題なく勉強会を進めることができます。
進行を正確に行うこと以上に私が重要だと思うのは、勉強会を進行する際の3つの心構えです。
3つの心構えとは
- リラックスする
- 自らが良き学習者として学ぶ
- 謙虚であること
それぞれについて説明します。
リラックスする
私自身、何度もファシリテーションをしてきましたが、ファシリテーターの持つ緊張感は伝播します。これは勉強会の進行係にも言えます。参加者がリラックスするためには、ファシリテーターがどっしり構えている必要があります。
もしファシリテーターが緊張して、堅くなってしまったり、あたふたしてしまうと、学習者にも混乱や不安を与えてしまいます。
反対に、例えば「何が起こっても、それは学びに必要なこと」と考えることができていれば、多少失敗しても、気を取り直して進行することができます。
参加者も、そういった進行係の姿を観て、学習プロセスに身を委ねることができます。
自らが「良き学習者」として学ぶ
自らが良き学習者として学ぶこともとても大切です。当然進行係も参加者の一人ですから、「学習者」です。
これまで何度もワークショップを開催してきて、事実として観測したことですが、「良き学習者」が参加する学びの場では、他の参加者もつられるように探求上手になります。
他の参加者が「良き学習者」であることを期待するのではなく、まずは自分が「良き学習者」でありましょう。
では、「良き学習者」とは一体どんな人物なのでしょうか?私なりの説明を与えてみますと、「メタ探求型学習」を行っている学習者は良い学習者です。
つまり、「対象を探求しながら、探求の仕方を振り返り、改善し続けている状態」にある学習者を、良き学習者と読んでいるのです。
例えばWordPressを学ぶ時に、WordPressの管理画面の操作を探求して学ぶだけでなく、「WordPressの管理画面をマスターする」という期待する結果に対して、
- どのように探求して、どのような結果を得たのか
- では、どうすれば期待する結果を得ることができるのか
を考えて実際に行います。
進行係がこの「良き学習者」の模範として探求することでで、勉強会も大いに盛り上がることでしょう。
謙虚であること
3つ目は、なんだそんなことかと思うかもしれませんが、「謙虚であること」です。
チーム学習ですから、一人で学ぶわけではありません。共に学び合う他の参加者がいます。もちろん、すでに述べたように進行係も学習者です。進行係が、
- 「自分は知っている、わかっている、もう学ぶことはない」
- 「他の参加者から学ぶことはない」
- 「自分の方が優れている」
という態度をとっていては、単純に場の雰囲気は悪くなりますし、あなたと一緒に学びたいという人はいなくなるでしょう。
そうではなく、お互いにわからないことがあれば教えあい、相手の技術や知識、姿勢から学ぶことが、チーム学習を行う勉強会においては常に大切です。
4. 具体的なコツ
心構えが大切とはいえ、実際に勉強会の進行を行う時に、具体的なコツがあれば嬉しいという人もいることでしょう。
そこで、具体的なコツを紹介します。それは、
- 今から行うこと(ワーク)を理解してもらうように説明する
- 各人が言っていることを整理して示す
- 次のワークとのつながりを示す
です。
基本的に、進行フォーマットに則って進めれば問題なく進行することはできますが、それでも参加者が議論の中で混乱したり、意見の対立が発生することがあります。
そういう時には、まず「リラックス」して心を落ち着かせて、「現状確認」をしましょう。そうすることで、建設的議論を行うことができます。
5. 環境の準備
場所
カフェのような良い空間で行ってください。可能であれば、長机が順に並んでいるような、いかにもな会議室で開催しないようにしてください。
もちろん開催できないことはありませんが、セミナーのイメージと結びついているので、もしかすると教えてもらえると思って参加する方が多いかもしれません。
反対に会場が綺麗でおしゃれな場所だと、やはり参加者としては学ぶモチベーションが上がります。その後資料として使う写真も、見映えの良いものになるでしょう。
音楽
ワーク中は、音楽を流すようにすると良いでしょう。時折、音楽があると集中できないという人もいるかもしれませんが、基本的にはBGMとして、音楽を流すようにすると、リラックスできたり、楽しい雰囲気を作ることができます。
飲食物
飲食物を自由に飲むことができるように用意しておきましょう。
最後に
長くなりましたが、以上で、ガイドラインは終了です。なんでもそうだと思いますが、勉強会も回数をこなすとなれてきて、
- どのように雰囲気作りをするか
- どうすれば学びの多い会になるか
といったことがわかってきます。あなたは講師をするわけではないので、何より楽しむことを忘れずに、参加者と共に学びましょう。
ぜひ、といリブを使った勉強会を開催してくださいね!