Teachingから、Learning へ
教えられるから、学ぶへの一大転換
こんにちは
toiee 亀田です。
なぜ、文科省や多くの場所で、アクティブラーニングという言葉が、もてはやされているのでしょうか?
つまり、「教える、教わる(Teaching)」ではなく「学ぶ(Learning)」、しかも「自主的(Active)に」を実現したいと考えるのは、なぜでしょうか?
今日は、そのことについて考えてみよう。
生涯学習の意味が変わった
現代社会は、私たちに「継続学習」を求めてきます。ひと昔前なら、「生涯学習」といえば、
- 茶道、華道など
- カルチャーセンターで講座を聞く
- パッチワーク、刺繍、トールペインティング
などでしたが、今や「余暇に趣味で何か勉強する」だけでなく、「仕事に必要な知識を日々、アップデート」し続けなければなりません。
そんな忙しく、さらには学習し続ける社会において
「やってみたけど、歯が立たなかった。
自分には無理・・・」
という無力感は、私たちの自信を奪ってしまいます。
私のいとこは、その無力感からキャリアを諦めました。でも、大学の授業でプログラミングの授業を手がけた経験から、「卓越するには、長い修練が必要だけど、学べないものではない」と確信を持って言えます。
私からすれば、
「最初の入り口を間違えただけ」
です。
苦手意識があるものに関して、私たちはなぜか
- むやみに理想を高くして
- 失敗をしないように周到に準備して
- 一歩を踏み出し、コケます
逆に、うまく学べてしまったものは、
- 理想は高いけど、まずはコレという適度な目標があり
- 考えすぎる前に、半歩踏み出してみて
- 学ぶべきことを見つけて、学んで、もう一歩
と進みます。ちょっとした「学び方」の違いで、できるもの、できないものに分かれていきます。
学習理論から言えば、「学習の4段階をスムーズに進む」ように、学ぶステップを設計する必要があります。
学習の4プロセス
Teachingから、Learningへ
学び方を学ばせること
いわゆる「Teaching から、Learningへ」ということで、「学び方を学ぶように設計」する必要があります。
例えば、プログラミングであれば、Teachingとは
- こういう風に書いたら、こうなります
- こんな時は、こう書いてください
- とにかく、こうなっているのです、覚えましょう
- 体で覚えよう
などです。これは「正しい方法」があって、「正しい答えがある」という前提で、反復訓練によって、何かを飲み込ませる方法です。
写真であれば
- Aという構図、Bという構図、Cという構図があります
- こういう時は、こういう構図で撮りましょう
- こんな時は、露出を上げましょう、下げましょう
ということを教え、覚えて使わせることです。
プログラミングができる人や、一眼レフカメラを使いこなせる人たちは、こんな覚え方はしていません。
ラーニング(学ぶ)とは何か?
toiee が体系化しつつあるもの
私も、ミラーレスカメラ(一眼レフのような高機能カメラ)を持っています。絞り、シャッタースピード、iso感度、露出などを変更することができます。
恥ずかしい話、全然使いこなし方がわかりません(でした)。
本を読んでも、意味がわかりません。「こうやったら、こうなる」はわかるけど、実際に自分が写真を撮ろうとした時、「何をどうしていいか?」わかりません。
そして、悩んでいる間に、シャッターチャンスが消えそうになるので「パシャ」っと写真を撮ります。
すると、「がっかりな、普通の写真」が量産されていきます。
ティーチングの場合(正解を教えられ再生する)
私の頭の中で起こっていたことは、こんな感じです。
- うわ、写真撮りたい
- どうしたらいいんだ?
- 過去事例の検索
- 混乱・・・
- エイ、パシャ
- がっかり
です。
こんな状態で、何度写真を撮っても「上達することはない」のです。これは「ティーチング的アプローチ」の成れの果てです。
ラーニングの場合(学習=F.I.L.M)
では、ラーニングならどうなるか?
実は toiee lab で「写真の学び方」を身につけたので、状況が一変しました。今では、こんな感じで写真を撮っています。
- テーマあるいは、伝えたいことを決める
- それを実現できそうな構図、寄り引き、高さ・角度を色々探求
- 露出、シャッター速度、その他を調整
- パシャ
- 出来栄えを確認して、(2) に戻って、もう一度、パシャ
写真をとればとるほど、上達していきます。わからないことは、まだまだありますが、常に向上し続ける自分がいます。
そして、たくさん撮った後、プロの人が書いた書籍を読んだ時、「なるほどー」と納得している自分がいました。
Teaching と Learning の違いについて
toiee Labの教材は、Learning が起こるように設計しています
このような考えから、toiee Labの教材は「ラーニングが引き起こる」ように、
- 知識の分析
- 技術の分析
- 人の認知の仕組みの分析
を行い、適切な順番で「探求」したり、ちょっとした実験を通して「実体験を伴った言語化」を通じて、「学び方を学ぶ」ように設計しています。
そして、「写真を撮れば、とるほど学習する」ように、プログラミングをすればするほど、プログラムを学習するように設計します。
ここが普通の教材とは、一線を画すところだと思います。
実は、toiee Labの教材を「学ぶ内容は、すごく少ない」のですが、その代わり、「少しから多くを引き出す体験」を通して、学習力が上がっていきます。
「学んだ少しのこと」から多くを学べるようになります。
すると、プロの本を読んだりした時に、「応用が利く」ようになります。
勝手にスキルがアップする
ラーニングが引き起こす、相乗効果
詳しくは「toiee labの独自の学習理論」でお伝えしますが、ラーニング(学ぶ)を実現した場合、以下のようなことが起こります。
- その技術や、知識を使えば、使うほど、勝手に成長する
- 応用が利くので、実践の場所で使いながら洗練できる
- 学ぶ力が上がるので、他のジャンルを学ぶ時に学びやすくなる
例えば、 Kyohei Nishi は、機械オンチです。iPhone、Mac もほとんど使いこなせていませんでした。
そんな彼が、学習ファシリテーターとして、何度も、何度も「動画講座」の学習ファシリテーションを行いました。
実は「学ぶプロセスを提供する人が、最も学べる」という原則があります。彼は、何度もお客さんの学習プロセスを作ったり、時には参加したりしているうちに
- 無自覚に、「動画の学び方」を学んでいた
のです。そして、ある日、彼の友人の結婚式のために「サプライズ・ビデオ」を作ることにチャレンジしました。
その出来栄えを見たとき、toiee labメンバーは、目を疑いました。
「本当に、西くんが作ったの?」
学び方を学ぶと、使いながら、その場で使い方を発見して、さらに、今までの見聞きした知識を総動員して、課題にチャレンジします。
そして、何度も「チャレンジ = 学習」が引き起こって、あっという間にすごいビデオが作れるようになったりします。
Learning で作られた教材を試してください
世の中のオンラインコース、講座、書籍のほとんどは、以下の2つです。
- 「教える」アプローチか、
- 「素材」
教えるアプローチでは、「その瞬間だけできるように」なって、家に帰ったら何もできません。応用が利きません。そんな経験ってありますよね?講座中は、ひたすら操作を教えられて、何かはできたけど、家に帰ったら、忘れて、二度とできない・・・など
一方で、素材の場合は、「学ぶ力がなければ、ただの置物」です。どんなに良い素材も調理する力がなければ、味わうことはできません。しかし、「学ぶ力」さえあれば、素材は無数に手に入ります。手に取る製品、サービスから、いろんなことを学べます。
もし、あなたが「学びたいのに、学べなかったもの」があれば、toiee lab の研究成果を覗いてみてください。きっと、新しい扉が開くと思います。
これからの toiee Lab (トイラボ) の活動にご期待ください。