あなたの仕事は何ですか?
先週末の休日のことです。
雨が降っていて、一日家にいたので、久しぶりにドラッカーの本を手に取って、読んでいました。
何となく読み進めていると、ある一文に目が止まりました。
自らがいかなる権限をもっているかが問題ではなく、自らがいかなる貢献をなしうるかが問題である。会社で何をしているかと聞かれて、何と答えるかである。ふだんから何を求められているかを考えていない限り、役職名をもって答えるという羽目になる。
この一文を読んで、「ドキッ」としました。
正直、今の自分なら
「教育の会社で、マーケティングを担当していて、今は特にWordPressのことに注力しています」
というように、「役職名」をもって答えるしかないと思ったからです。
「これではマズイ」と思ったので、改めて「自分の仕事」について考えてみました。
忘れかけていた夢
「自分の仕事について、考えてみよう」と思ったまでは良かったのですが、早速躓きました。難しいお題すぎて、何から考えていいのかわからず、考え込んでしまいました。
「これでは、ダメだ。とりあえず行動しよう」と思ったので、何となくドラッカーの本を読み進めてみました。
すると、また気になる一文を見つけました。
やがて、それぞれの人が自分の得意とする分野で能力を伸ばせない学校、大学へは誰も行かなくなる。学校は不得手なことを補うところではなく、得意なことを伸ばすところになる。ドラッカーは、その日が本当の教育革命が成就したときだという。
この一文を読んで、すごくワクワクして、「この未来を実現したい」と強く思いました。
また、それと同時に思い出したことがありました。
それは、自分がこの会社に入社した時に抱いていた夢のことです。
私は、各人が
「好きなこと・やりがいを感じることを仕事にしているのが、当たり前」
になっている世の中を実現したいと思って、この会社に入りました。
しかし、入社から3年以上が経ち、毎日の業務に追われるうちに、そんな気持ちを忘れていました。
こうして、改めて振り返ると、入社当時に私が抱いていた夢は、壮大ですが「価値のある」ビジョンだと思います。
「世渡り上手」だった高校生
少し私の話をしたいと思います。
私は、3人兄弟の末っ子ということも関係しているのか、昔から少し先のことを見越して「怒られない」「失敗しない」ような、行動をとる癖があります。
周りの人からは「世渡り上手」や「要領がいい」と、よく言われていました。
高校時代から、その癖を存分に発揮していました。
私は、姉と同じ高校に入学したこともあり、姉から高校生活のアドバイスを色々と聞いていました。
アドバイスの一つに、「指定校推薦をもらうと受験が本当に楽だから、目指すべき」というものがありました。
「世渡り上手」の私は、「これだ!」と思い、指定校推薦について詳しく調べました。
調べた結果、定期試験の結果や、部活動や生徒会での活動などを基準に選考されることが分かりました。
私は、指定校推薦を貰えるように、学校のテストだけは、好成績を維持して、部活動でもキャプテンになり、「要領良く」高校生活を送りました。
そうこうしていると、3年生になり、「受験する大学を決める」時期がきました。
高校時代の夢は、「公務員」
高校生の頃の私の夢は、「公務員」として、市役所に勤務することでした。
私がなぜ数ある仕事の中から、「公務員」を選んだのかというと、
「公務員は、安定していて、食いっぱぐれることもないし、定時にあがれることが多く、プライベートの時間を維持できる」
という情報を聞き、鵜呑みにしていたからです。
「甘い考え」だと今ならもちろん分かりますが、高校生の私はこの情報を信じ込んでいました。(公務員の方、気を悪くさせてしまったら、すみません。今は、そんなに甘くない立派な仕事だと理解しています。)
そんな夢を持っていたので、「大学も公務員になりやすいような学部、大学がいいな」と考えていました。
ある日、先輩から自分が受験する学部は「関西大学の公務員試験の対策もしている政策創造学部だ」と聞きました。
「【関関同立】に入れたら、いいかなー」という漠然とした目標があったので、先輩の話を聞いた日から、僕の目標は「関西大学の政策創造学部」に決まりました。
すると、その先輩が政策創造学部に合格してくれたおかげか、その学部の指定校推薦の枠が高校に届き、「予定通り」指定校推薦で関西大学に入学できました。
大学で変な教授に出会う
無事大学に入学してからも、ブレませんでした。「公務員試験」のことを頭に入れて、講義を選択しました。
しかし、必須のある講義で変な教授に出会いました。
その教授の講義は、「パソコンの授業のはずなのに、いつもパソコンを触るのは最後の30分くらい」という変わったものでした。
パソコンを触る以外の1時間は、
- 「働く意味」や「生産性について」
- 「世界のトップ企業の経営者が皆、共通して行なっている習慣」
- 「自分が経営している会社について」
- 「効果的な学び方について」
などの、他の講義では聞くことのない刺激的な話を、毎回してくれました。
その話が面白くて、段々とこの講義を受けるのが楽しみになりました。
その教授は、何度も口癖のように
「人生という単位で考えた時に、働く時間はすごく長い。だから、自分の興味のあること・好きなこと・価値のあるものを仕事にしなさい。そうするときっと人生は、楽しくなる」
と言っていました。
この教授の言葉がきっかけで私は変わりました。
自分が「価値があると思うこと」「好きなこと」「興味のあること」について、真剣に考えるようになりました。
「失敗しない選択」は、失敗
何度も考えた結果、「公務員になる」という私のかつての夢は、「本当にやりたいこと」でも「価値のあること」でもなく、「ただ人生を失敗しないために、選んだ夢」だということに気づきました。
私はたまたま教授に出会い、価値があると思うこと、好きなことについて真剣に考えることができました。
その結果、「失敗しない選択」ではなく、「自分の価値があると思うことを仕事にする」という選択を行い、この会社に入社し、毎日チャレンジングで、充実した生活を送っています。
しかし、私たちの世代はいわゆる「ゆとり世代」で、バブルも経験していないし、毎日のように「不景気」という言葉ばかりを聞いて、世の中に好景気なんて来ることは無いと思って育った世代です。
そんな環境で育ったからなのか、無意識に「失敗しない」選択をとってしまいがちです。
「失敗しない」選択は、「世間体」や「安定している」などを基準にして決められているのだと私は思います。
しかし、その「失敗しない」選択をしたはずの多くの友人は、入社して3年を過ぎた今、会うたびに「会社選びを失敗した」と嘆いて、「お前は楽しそうに仕事しているな」と言います。
私の友人のように「失敗しない」選択をして、苦しんでいる人は世の中に大勢いると思います。
「失敗しない」選択をする人もみんな、かつての私のように「本当はやりたいこと」や「価値あると思うこと」を持っています。
それを見ないフリをしているだけです。
可能性をカタチに
「自分の価値があると思うことを仕事にする」という選択は、勇気がいることです。
世の中では、「甘い考え」などと言われたりもします。
世の中の多くの人は、「自分の価値があると思うことを仕事にする」という選択をしていないので、逆風だらけです。
でも、みんな「自分の価値があると思うことを仕事にして、食べていけたらそんな幸せなことはない」と、心のどこかで思っています。
私は、「自分の価値があると思うことを仕事にする」ことで、人生は豊かになると信じています。
「自分の好きなこと・やりがいを感じることを仕事にしているのが、当たり前になっている世の中」は、豊かな世界になると信じています。
そんな未来を実現するために、私はあなたの学習をサポートすることから始めたいと思います。
「自分の価値があると思うことを仕事にする」ことの種のような存在である、「好きだ」「やってみたい」という気持ちを学習という観点から、全力で応援します。
これが私の仕事です。
「あなたの仕事は何ですか?」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
実は、文中に登場する「変な教授」は、弊社代表の toiee 亀田 です。 私は、亀田をはじめ、同僚、友人、先輩など、周りの人に恵まれています。
その方々のおかげで、今日もこうして「自分の価値があると思うことを仕事にする」ことができています。
この文章を読んでくれているかは分かりませんが、感謝の気持ちを伝えたいです。
「本当にいつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします!」