ITを諦めるには、まだ早い
苦手だったITを、ちょっと好きになりました
ITの5ステップワークショップに参加しました
Webサイト作成や、ITツールを使いこなすことに躓いていませんか?
これまでWordPressのワークショップを開催し、参加者が操作する様子を観察しました。すると、
- ブラウザのタブを使いこなせない
- 保存したファイルがどこにあるのかわからない
- ログイン・ログアウトの感覚がない
といったことが、WordPressを使いこなすのに無用な混乱を引き起こしていることを発見しました。
観察したことから原因を考えてみると、「ITそのもの」が苦手であることがわかりました。
この状況を改善するために、所長亀田が、ITの5ステップワークショップを設計しました。今回は、ITに強い苦手意識を感じている私が被験者となり、ITの5ステップを実践した結果を報告します。
数々のITツールに挫折
本題に入る前に、被験者である私について、少し説明しておきます。
私はITがとても苦手でした。社内で導入した数々のITツールに挫折してきました。たとえば、
- プロジェクト管理ツールのBasecampでの情報共有・仕事管理ができない
- Mailerliteで顧客へのメール送信ができない
- 進捗管理ツールのMeistertaskを使いこなせず、進捗の報告ができない
という状態でした。
横についてもらわなければ、操作できず、あまりの苦手意識からITを活用する仕事を避けることすらありました。
ITの5ステップは「遠回り」なのか?
このようにIT苦手な私に、以前亀田はITの5ステップでの探求を教えてくれましたが、滅多にやってみることがありませんでした。
なぜなら、「遠回り」に感じていたからです。
自分が終えなければいけないのは、目の前の資料作成やWebページへのコンテンツ追加作業なのだから、「ITの5ステップでITの探求しながら…」と言われても、「いいから、どうすればいいか教えてくれ」と正直感じていました。
以前の私にとって、「ITの5ステップでITの探求しながら…」は、海外出張で一ヶ月後までに、外国人と問題なくコミュニケーションできるくらい英語を習得しなければならないのに
「外国語学習について学びながら…」
「コミュニケーションについて学びながら…」
と言われるようなものでした(本当は大事です)。それよりは使えるフレーズだけ教えてくれたら暗記するから教えてくれという気持ちでした。
このように、本当に効果があるのか内心どこかで疑いの気持ちを持っていた私は、
- ITの5ステップでITツールを使いこなすことができるという仮説
- ITの5ステップは遠回りという自分の仮説
を検証するためにも、被験者になりました。
以前挫折したアプリに再チャレンジ
3ヶ月ほど前に挫折した「Feedly」というアプリを、ITの5ステップワークショップで実際に探求してみました。
Feedlyの画面例
一度挫折していることもあり、
「本当に使いこなせるようになるのだろうか」
「使えるようになるとしても時間がすごくかかるのではないのだろうか」
と疑いながらもワークに取り組みました。
ITの5ステップの資料に書かれている通り、
- ボタンを押すとどんな画面になるのか、どんな動きをするのかを予想してからボタンを押し
- 全体像を自分でまとめてイメージして
探求を進めました。
たった10分の探求で、驚くべき結果
その結果、わずか10分でアプリの全体像を把握しただけでなく、実際に操作もできるようになりました。
(探求の様子は、といリブの「ITを学ぶ5つのステップ」ワークショップに収録されていますのでご覧ください)。
以前は、挫折しただけでなく「デザインが悪い」と言って、アプリのせいにして、使い物にならないアプリと評価を下していました(すみません…)が、実際にはとても便利なアプリでした。
使いこなすと、とても便利な「Feedly」
使いこなせるようになっただけでなく、アプリの特色を見出し、正しくアプリを評価できるようになり、どのような場合に向いているアプリか判断できるようになったのです。
もし、この3ヶ月間、Feedlyを使いこなしていたら
- 情報収集がスムーズにできていたかもしれない
- 知識を増やすことができていたかもしれない
- 顧客に「Feedly」という良いアプリをお伝えできていたかもしれない
そう思うと、ITの5ステップを試してみずに、ITを避けることで失った機会がとても大きいことに気づきました。
たった10分の探求をしていれば、3ヶ月間、機会を逸することはなかったはずです。
実は、初めのワークでは大混乱
ITの5ステップワークショップでの体験から、ITの5ステップをたった5~15分実践することで、ITツールを活用できることがわかりました。
さらには、以前よりITに対する苦手意識が弱くなり、チャレンジしてみようと前向きな気持ちになるなど、効果を実感することができました。
これだけを聞くと、できすぎた話に思えるかもしれませんが、実は、最初のワークでは探求に失敗しました。といリブのビデオを観てもらうとわかるのですが、iPhoneのMUSICアプリの探求で大混乱しています。
ダウンロードしたプレイリストはどこに行ったら見れる?
最初、このシンプルに思えるアプリをうまく扱うことができませんでした。
混乱して、気づいたら、同じボタンを何度も押すなど、同じ行動をひたすら繰り返していました。
最初こそ、ITの5ステップを意識して探求しようとしていたものの、途中から無視して、予想も立てずやみくもに操作したことにより、探求に失敗してしまったのです。
ポイントは、自分の探求を俯瞰すること
では、どのように、「Feedly」を自由自在に探求するまでに至ったのでしょうか?
短時間で成長することができた理由は、自分が探求している様子を俯瞰することにあります。
MUSICアプリの探求に行き詰まって大混乱した時、亀田がITの5ステップの資料に沿って、良いタイミングで質問したり、振り返りを入れてくれたことにより、一つ上の視点(メタ)をもって、取り組むことができました。
振り返りで、探求の「良かった点」「改善点」「次やるなら」を考え、得た探求のヒントをまとめて、一つずつ実践しました。
何度か亀田に介入してもらううちに、自分が探求している様子を俯瞰する習慣がついてきて、自分なりに工夫をすることができるようになりました。
そこで、自分の思考や行動の癖を修正するために、とくに意識するポイントを決めて探求してみました。
自分の探求のパターンから、意識すべきことを考える
すると、3回目のFeedlyの探求では、驚くほど上手く探求できたのです。ITの5ステップによる探求は決して遠回りではないことがわかりました。
それどころか加速的な成長を可能にしています。この文章を書くにあたって自身の体験を分析した結果、
- 振り返りによって自らの探求を俯瞰すること
- 探求の仕方を改善すること
が大きな要因であり、ITの5ステップに沿って探求すると、自然にその状態が生まれるということがわかりました。
探求する時に意識すべき5つのこと
この結果を、できるだけ多くの、ITに苦手意識を持っている人に知らせて、ITの5ステップを使ってもらいたいと思い、私なりに大切だと思うポイントを5つにまとめてみました。
一人でやるときや複数人で取り組むときにも有効なので、以下のポイントを意識して取り組んでみてください。
- 落ち着く、リラックスする - ITの5つのステップを見える場所に置く - 4つの操作を試してみる - 必ず振り返りをする - 実験を考える
落ち着く、リラックスする
なんだそんなことか、とおもったかもしれませんが、一呼吸入れてリラックスすることで冷静になって、自分の探求を俯瞰するスイッチになります。
一度落ち着くというプロセスを入れなければ、驚くほど見えなくなります。猪突猛進に探求してしまいます。私がMUSICアプリを探求した時のように、
「こんなところにボタンなんてなかった!」(実際にはあります)
と、言ってしまうことになります。
騙されたと思って一度、リラックスしてみましょう。混乱している時こそ、リラックスです。
5ステップを見える場所に置いて、意識する
ITの5ステップの資料を印刷して手元においておきましょう。見えるところに置くことがポイントです。
意識する習慣がないと、たちまちITの5ステップのことなど忘れてしまい、やみくもに操作を始めてしまいます。
手元においたら、最初は順番に、気になったボタンを探すところから始めて、順番に取り組んでいきましょう。
めんどくさいと思うかもしれませんが、最初しっかりステップ通りに取り組めるかどうかが、ITツールを活用への近道です。
- 最初は予想→理由→実行→理解を繰りかえす
- 2、3周したら、今度は得た知識を自分なりにまとめてみる
- そのサービスが出している記事や誰かが解説している記事を読んで、自分の理解と照らし合わせる
などしてみましょう。
4つの操作を試してみる
基本的な操作を知っておきましょう。
後ほど説明する後で説明する「実験を考える」時にも、知っておくと探求が進みます。
- 長押し
- 上下左右スワイプ
- 二本指クリック(右クリック)
- ドラッグ&ドロップ
長くなるので、ここでは一つ一つ説明はしませんが、やり方を調べてやってみましょう。
これでまずは5つのステップを練習しましょう。
必ず振り返りをする
5分時間をとって探求したら振り返り、また探求したら振り返り…というように、振り返りを必ず入れるようにしましょう。
振り返りこそ、自分の探求を俯瞰することになります。振り返りを意識し始めてから、加速的に学習スピードが上がりました。
具体的には、「良かった点」「改善点」で振り返りましょう。そして、次やるならで実行アイデア(やってみること、意識すること)を考えてみましょう。
考えたアイデアは一つでもいいので、必ず少しでもやってみるようにしてください。
実験を考える
だんだん探求しているITツールの雰囲気がつかめてきたら、実験を考えてみましょう。
以下の質問を自分にしてみてください。
- 確かめたいことは何か?
- わかったことは何か?
- 反対に、まだわからないことは何か?
確かめたいことが出てきたら、どうしたらそれを確かめることができるか、アイデアを考えましょう。
例えば、私が「Feedly」の探求をした時には、
- 「もしかしたら、ハイライト機能(文章のきになる部分に色をつける機能)」があるんじゃないか?
- 記事を開いた画面で、スワイプや、長押しをしてみよう
- 結果はどうなったか?
という感じです。
考えた実験をしてみて、結果を確かめて、わかったこととわからないことを知って、もう一度…と探求を進めていきましょう。
ITに再チャレンジしよう
今回、自分がITの5ステップワークショップの被験者になった結果、
- 実際に短時間で以前挫折したITツールを使いこなせるようになる
- ITに対して前向きな気持ちになる
などの結果を得ることができました。正直これほどの効果を得られるとは思っていなかっただけに、驚いています。
同時に、これまで自分がITツールを避けてきて、失ってきた時間や機会のことを考えてゾッとしました。
ITに強い苦手意識を持っていた私ですが、ITの5ステップワークショップに参加してからというもの、少しずつ使えるITツールや操作が増えてきて、できる仕事を増やすことができました。
「ITが苦手…」「挫折している」という人に是非ITの5ステップを使ってみてほしいです。毎日5分でもいいので、取り組んでみてください。
きっとITの可能性が開けると確信しています。