写真を始めよう、iPhoneで
iPhoneでもプロ並みの写真を撮影することができるようになる
Photo by Dũng Trần Việt on Unsplash
AppleのiPhoneの広告コピーの一つに、
「iPhoneでは毎日、ほかのどんなカメラよりもたくさんの写真が撮られています」
というものがあります。
iPhoneやスマートフォンで写真を撮ることが常態化したことに加え、Appleの卓越したマーケティングによって、実際に今、多くの人がiPhoneのカメラを愛用しています。
しかし、写真を本格的に学んだり、仕事で写真が必要になるシーン、たとえばWebサイトの写真を用意することを考えるとどうでしょうか。
まずデジタル一眼レフカメラが思い浮かぶはずですし、さすがにiPhoneでは役不足…と思う人も少なくないはずです。
あくまで日常の思い出や記録の写真を撮影するものだろう、と。
実際のところ、仕事でも十分使えるくらい、美しい写真を本当に撮影することができるのでしょうか。また、iPhoneで写真を学ぶことができるのでしょうか。
プロカメラマンも愛用するiPhoneの実力
答えは、YESです。
一般にiPhoneで写真を撮影することが広く普及しただけでなく、iPhoneを愛用するプロのカメラマンも現れました。
報道の現場や、プロのスポーツカメラマンもiPhoneで撮影する時代です。
アップルが選んだ4名の写真家 デジカメよりiPhone 6を使い続けるわけ
「写真部を全員解雇した新聞社」、競合紙と比較|WIRED.jp
**プロのスポーツカメラマンもiPhoneのみで撮影する新時代 | TechCrunch Japan
タイトルを見るだけでも驚きますよね。「iPhoneをプロカメラマンが使っている」という内容の記事探すと他にも見つかります。
記事の中で、
「iPhone 6の内蔵カメラは800万画素だが、髪の毛も1本1本がつぶれておらず、ディテールをよく表現してくれる。パソコンの画面で見る限りは、フルサイズのデジタル一眼レフカメラで撮影したものと比べても、その違いは分からないと思う」
大きな機材の持ち込みがはばかられる場所がある。さらに、大掛かりな機材を持ち込まないことにより、被写体の緊張感を和らげる機能もあるのだとのこと。より自然な写真が撮れるケースがある
と、書かれていることからわかるように、彼らはiPhoneのカメラとしての機能面を評価しているのです。
iPhoneのカメラはいかに優れているのか
プロカメラマンも愛用するiPhoneですが、一体何が優れているのでしょうか。
以下のWebページで基本的なことは説明されているので読んでいただくとして、今回はAppleのWebページには書かれていない、2つの特徴をお伝えします。
一つは、ISO感度が低いこと、もう一つは、画素数が低いことです。
ISO感度が低い
ISO感度とは、デジタルカメラが光を捉える能力を表した数値です。
ISO感度はコントロールすることができて、あげればあげるほど、明るくなります。例えば、ISO感度100から800にあげると、受光するセンサーの電気信号が増幅され、より明るい写真を撮影することができます。
しかし、電気信号を増幅することで、ノイズも増幅されてしまうため、写真に「ざらつき」が発生します。
反対に、ISOが低いほど、綺麗な写真を撮影することができます。
iPhoneのカメラは、32というISO感度を実現しています。僕は写真を撮影していて、デジタル一眼レフカメラを使いますが、32という数字を聞いたことがありません。(僕のカメラは発売当時35万ほどするカメラですが、ISO感度は64が限界です)
(追記:調べてみたら、なんと最新のiPhoneは最低20のISO感度でした)
それだけノイズが少ない、と考えられます。
画素数が低い
デジタルカメラの性能のよく注目されるのが画素数です。画素とは、「コンピューターなどで画像を表現する場合の一番小さな要素」です。
画素数が高ければ高いほど、それだけピクセルの点が小さくなり、細かい部分などがよりなめらかに表現できるようになります。
要するに、綺麗な写真を撮影することができると思われています。みなさんの感覚としても、そう思いませんか?
しかし実際のところ「画素数が多い=高画質」でないどころか技術的には画素数が増えるほど、画質は低下するそうです。
これは、センサー自体のサイズが変わらないまま、画素数がある程度多くなると光を取り込むための機能が低下するためです。
一方、基本的に,画素数が低くなれば、受光するセンサーである撮影素子の一画素あたりの面積が増えるので,より階調豊かな写真が撮ることができます。
詳しい説明は、以下の記事を参照してください。
画素数が多い高解像度なデジカメほど画質が落ちる理由 間違ったカメラ選びをしないために | デジカメの選び方 デジカメの教科書
iPhoneが800~1200万画素であることに対して、スマートフォンには2300万画素のものもありますが、単純に画素数で比較してはいけません。
iPhoneは受光センサー大きさを考えて、画素数をあえて低く設計していると考えられます。
デジタル一眼レフを使いこなす人が、iPhoneでは挫折する
iPhoneのカメラ性能が十分に優れていることがわかりました。「iPhoneだったら誰でも、簡単に綺麗な写真を撮影できる!」と思ったことだと思います。
しかしながら実は、「iPhoneで写真を撮影すること」自体、実は学ぶ必要があります。
驚くべきことに、デジタル一眼レフで綺麗な写真を撮影する人が、iPhoneで写真を撮影しようとした途端、うまく撮影できないということが起こり得ます。
iPhoneの写真を学ぶことはそれほど難しいのでしょうか?
「探求」が鍵
おそらく、探求する力自体があまり向上していないことが最大の原因です。
最初にデジタル一眼レフカメラで写真を学んで、たまたま特に苦労を感じずに上達したとしましょう。
本当は様々な試行錯誤や工夫を通じて「探求」をしているはずですが、自然に学べてしまった場合、学ぶ時に意識的な振り返りを行っていないため、どうやって自分が写真を上達したのかを言語化することができません。
換言すると、探求する力自体はあまり向上していないため、iPhoneの写真を学ぶ際には、思っているよりも苦労してしまう可能性があります。
さらに、ある意味iPhone写真では、デジタル一眼レフカメラと同等か、人によってはそれ以上に「探求すること」に意識的であることが要求されます。
なぜなら、デジタル一眼レフのようにカメラ本体やレンズの性能に頼れないからです。制限された機能の中で、いかに探求するかが、iPhone写真を学ぶ際の鍵になります。
ここまでをまとめると、以下のようになります。
・iPhoneのカメラ機能は優れていて、美しい写真を撮ることができる。 ・しかし、iPhoneで美しい写真を撮るためには、「iPhoneで写真撮影をすること」自体を学ばなくてはならない ・そのときには探求する力が求められる
iPhoneで写真を学ぶとよく学べる
iPhoneを使えば、誰でもすぐに美しい写真を撮れるわけではありません。
しかしながら、「探求が求められること」を裏返すと、iPhoneで写真を学ぶと探求力が身につくということになります。いざ、デジタル一眼レフカメラを使ったときにも、その探求力を発揮することができます。
さらには、学習コストの低さも魅力的です。
デジタル一眼レフカメラで写真を学ぶには、写真を学ぶ以前に「デジタル一眼レフカメラの仕組みと操作」について学ぶ必要があるので、学習コストが高いです。
その点、iPhoneの機能自体は本当に少なく、操作は簡単ですので、写真を学習する際のコストは低い上、写真を学ぶことに集中できます。
他にもiPhoneが写真を学ぶのに適している理由はあります。
- デジタル一眼レフカメラに比べて初期投資がかなり安い
- フィードバックが早く、行いやすく、学習しやすい
- 機能的制限があり、構図にこだわらざるをえないので、探求する
- 携帯性に優れているので、いつでもどこでも撮影が可能
- アプリですぐに編集できるので、基本的な編集も学ぶことができる
iPhoneで写真を撮ってみよう
以上の理由から、iPhoneはカメラとしても優秀で、実は写真を学びやすいカメラであるといえます。
写真を学び始めることを考えた場合に、ネックになるのは価格だと思います。そう考えるとiPhoneはコストパフォーマンスにも優れています。すでにiPhoneを持っている場合もありますし、すぐに写真を学び始めることができます。
写真を学びたい人は、その手に持っているiPhoneで、すぐに写真を始めましょう!