7.ラーニング・ファシリテーションとは何か?
「学びを創造するプロフェッショナル」になれる
スーパー先生たちが、無意識でやっていることを言語化し、体系立て、科学的な説明を与え、学べるようにしたのが、ラーニング・ファシリテーショ(以後:LFT)です。
「経験」や「勘」に頼るのではなく、理論的にアプローチします。あくまでも考え抜き、その上での「閃き」を使う科学的アプローチです。
むしろ、科学とアートの融合だと考えています。
また、「アクティブラーニングの答え」も、ここにあると思っています。
「限界を突破し続ける」人を育てます
LFTを応用し、学習をデザインすることで、
- センスや才能ではなく、「正しい努力」をすれば、常に自分の限界にチャレンジできる
ということを、受講者(子供達)が学びます。その結果、例えば、サッカーを通じて「学習そのもの」を学び、他の分野も、次々学べるようになります。
また、学習を「他者との競争として、捉え得るのではなく、自分の成長、他者への貢献」として捉えることになり、
- 寛容
- 人間尊重
- 優しさ
といった人として必要な資質を身につけることになります。
最も効果が発揮されるのは、チーム学習
LFTでは「ギャップ」を積極的に発見したり、創り出して、学習を促進します。
このことから「チーム学習」といって、多様なメンバーと一緒に学ぶときに、より一層効果を発揮します。
自分とは違う意見を持つ人から、多くの気づきを発見する経験を通して、「対立する意見こそ、自分の成長につながる」ことを実感します。
これは、多様な価値観がぶつかり合う現代において、非常に重要な姿勢です。価値観の違う人と壁を作り、同じ価値観の人と「蛸壺」を作って閉じてしまうことは、結局、対立の原因になります。
もし、チーム学習を通じて「他者との対立から、第三の知識、アイデアを生む経験」を何度もすることができれば、「他者との間に自己を定義する = 人間」を理解することにつながります。
グローバル化と極度なローカル化、原理主義化が同時に起こる現代において、必要な姿勢を「プログラミング、英語、国語、パソコン、・・・」などを学びながら、身につけることになります。
今の自分にYesと言える場所
さらに、他者を尊重する人が集まる場所は、奇跡のようなことが起こります。
LFTに基づいて構築した場では、「わからない」「理解できない」ということを積極的に表現します。また「なぜ?」「どうして?」という疑問も大歓迎をします。
通常の教室では、倦厭されるような「問い」や「発言」を通じて、全体の学び、気づきを引き出します。
このような場を経験すると、「自分ができない、わからない」が他人の役にたつということを学びます。すると、参加者は、堂々と助けを求めます。
チャレンジする勇気をもらう
勇気を持って「わからない」と発言した人を助けようと、多くの人が知恵を出します。その援助で、できなかった人は「チャンレンジする勇気」をもらいます。
こうして、「その人なりの一歩」を踏み出し、それを全員が喜びとするような場が、よく起こります。
私たちは、そんな場に居合わせることができた時、「真の教育の場は、受講者とともに作るもの」と確信を強めます。
【まとめ :ラーニング・ファシリテーションの特徴】 (1) その日、その場で集まった人同士でしか生まれない「学びの場」を作る (2) アクティブラーニングの実現を、最も的確に説明できる理論と考えている (3) チーム学習によって、多様性から学び、受容される場を作り出す (4) 私たちがやろうとしていることは、「新しい学びの場」を作ること (4) 真の教育の場は、受講者とともに作る、それを科学的に作れるのがラーニング・ファシリテーション