4. どう解決するのか?
実は、ここまでで挙げた問題(乱気流の時代、社会的問題を参照)は、P.F.ドラッカーが30年以上前に指摘していたものです。人口ピラミッドを見て、時間を早送りすれば、明らかでした。また、高齢者問題を世界で最初に扱ったのもドラッカーでした。
その彼が、解決策の方針を示しています。
3つの方針
ドラッカーは、このような状況に3つの指針を与えています。
- 「問題ではなく、機械に焦点を合わせよ」
- 「変化を脅威としてではなく、チャンスとして認識せよ」
- さらに、スピノザの言葉を引用し、「問題を解決しようとするのでなく、乗り切りなさい」
問題の共通点
上記の問題を、少し見方を変えれば、大きなチャンスが眠っていることに気づきます。様々な問題は、ある一つの共通点を指しています。
例えば、
- 70歳まで、健康に楽しく働いてもらえれば、解決する
- 65歳以上になっても働き続けられる職業は、頭を使う仕事か、軽度な労働(つまりサービス業)
- 知識労働や高品質なサービスは、経験が重要である
- 認知症の予防は、「頭を使うこと」しかも「楽しく」
これらが示すのは、「学習の機会は、増大し続けている」という事です。さらに、医療費についても、
- 医療の限界が取り上げられ、普段から健康に気遣う人が増えてきた
- 必要なことは「自分の体の医者は、自分」になって、自分の体質にあった健康方法を見つけ出して、改善すること
- 医者にかかって、薬を訳も分からず飲むのではなく、可能な限り自己診断を行い、医者と協力する関係が重要
など、私たち、患者側が賢くなる事を要求しています。
同様に、生産性の向上についても、
- 生産性の向上は、激しく働くよりも、「賢く働くこと」
- 一度限りの処方箋ではなく、継続的「カイゼン」が必要
が鍵です。つまりは学習と帰着できます。
新しい教育への関心の高まり
このような時代の中、時代の「雰囲気」「空気」が変わり始めています。多くの人が、学校教育の限界を認識しています。
そして、「多くの親が新しい教育を探して」います(私も、その一人です)。
企業や行政は、とっくに、現在の学校教育に疑問を投げかけ、違う教育を望んでいます。その結果、公教育は「アクティブラーニング」を号令に、変わろうと模索し始めています。
これらのことが指し示す先は、「学ぶことを、大きく変えよ」です。
学ぶこと自体の生産性を向上させる
「学ぶこと自体の生産性(効率、効果)」を上げることで、すべての問題の解決に大きく貢献できる可能性があります。
具体的には4つのことを実現すれば良いことになります。
- 学ぶこと、その対象を「好き」になる教育を実現すること
- 短時間で学んだこと以上を、学べるようになること
- 具体的な対象を学びながら、「学ぶ力そのものを上げる」教育
- 質の高い継続学習(ダブルフィードバックループ)を習慣にすること
ワクワクするチャレンジ
恐らく、あなただけでなく、あなたのすぐ近くの大切な人も、乱気流の時代に不安に感じていると思います。一方で、同時に「何かできるのではないか?」とも感じているはずです
なぜなら、目の前に答えがたくさん見えていて、「あとは繋ぐだけ」だからです。
もし、これらの大問題を私たちで直接、解決できるとしたら、ワクワクしませんか?
もちろん、一人でできることは大したことはないですが、皆で取り組みば大きな山をも動かすことは可能です。
繰り返しになりますが、解決の糸口は、すでに見つかっています。それは、「学ぶことを、大きく変える」ことです。
【まとめ : 問題解決の糸口】 (1) 生産性の向上は、教育を変えることで実現できる (2) 創造性の向上は、教育を変えることで実現できる (3) 医療、社会的対立などの諸問題も、教育を変えることで解決の糸口となる (4) どの方向に、教育を変えるべきか?は、明らかになっている (5) 新しい教育の下地は、すべて揃っている