もし、経営者がラーファシだったら
学習する組織を作るには、何が必要か?
今日は、「がっかりするかもしれない」ことを書きます。
でも、本当のことです。
いわゆる「カミングアウト」をするのですが、それは怖いようですが、ちょっとだけワクワクもしています。
社員を育てられない教育会社
実は、私は「人を成長させるのが、下手」 でした。
まだ、正直ではないですね。
「下手ではなく、最低レベル」
「教育者失格」
でした。
最初の会社は、なぜうまくいったのか?
博士課程を終了したのち、1年だけ大学で研究員をしました。その後、考えた末に起業しました。
最初の会社は、3人からスタートし、一番多い時で6人でした。たった6人で20,000人以上の顧客を抱えサポートからシステム開発まで手がけていました。
順調に成長し、少人数で多くの顧客に感謝してもらえるサービスを提供しました。その結果、一般的な社会人よりも、手厚い家賃補助、給与、自由な出社・帰宅時間を実現していました。
私は人を育てませんでした
この驚異的な生産性の高いチームは、一人一人がスペシャリストでした。スペシャリストには、ただ「高い目標」を伝えるだけでした。
彼らは勝手に考え、勝手に仕事をし、勝手に成長しました。
その頃の私は「マネジメント」の重要な役割の一つである「人を育てること」を完全に放棄していました。しなくても良い状態でした。
成長させようとすると裏目に
逆に、成長させるための働きかけをしたら
- モチベーションを下げ
- 対立し、
- お互いイライラし
会社分裂の危機をもたらす、そんな人間でした。
対外的には、良い先生
自分で言うのもなんですが、「社外では、本当に良い先生」でした。
例えば、
- あるコンサルタントのお手伝いだった人を、一流のコンサルタントとして独立させたり
- 後に何十万アクセスももたらす人気サービスを立ち上げる起業家になる、悩める一学生を強力に勇気付けたり
- 何万人もの人に、ITの知識を伝え、独力でWebサイトを作れるようにしたり
- あるWeb製作代行業者に戦略を伝え、そのノウハウで、海外事業展開を可能にしたり
なぜか、社外の人に対しては良い先生でした。
一部の方は、私を過大評価し、持ち上げ、尊敬の言葉までかけてくださいました。
社員を育てられない、教育会社
一方で、若いチームを率い、教育を刷新しようと、日夜働く中、「なぜか、社員が育てられない」という問題に悩んでいました。
可能性を信じ、確信してもらうために教育を提供するのに、自分たちの可能性を拓けない。結果、可能性を確信するに至らない。
一方で、講座に来た人は皆、「自分の可能性を信じよう!」と思ってくださいます。
- 社外の人は、成長させられるが、
- 社内の人は、成長させられない
というギャップに悩んでいました。
帰宅しながら
「なぜ、うまくいかないんだ?」
「どんな、違いがあるんだろう?」
と自問自答を繰り返す毎日でした。
経営者像を捨てる
考えすぎて、疲れ切った私は、
「自分には、経営者は向いていない」
「全然できない、無理」
「諦めよう」
と、心の底から諦めました。
観念しました。
投げ出しました。
すると、自分が理想とする経営者像があって、それを目指してたことに気づきました。
その経営者像とは、
「スティーブジョブズ x 稲盛和夫 x 山田昭男 x 岡田武史監督」
みたいな、スーパーマンでした。
スーパーマンに憧れている自分に気づき、
「そんなの無理・・・」
と、笑えてきました。そしたら、力が抜けて
「頑張って背伸びして、苦しむより」
「自分らしくやろう」
こんなことが、頭に浮かびました。
あるがままの自分でいる勇気
そうやって考えた時、自分の最大の得意は
- 即興で、学ぶプロセスを作って
- 学習ファシリテーションすること
でした。
つまり、社内を「学びの場」「仕事を学びの機会」に変えることにしました。
優秀な技術者、設計者、コピーライターとして、教えを与えるの「ではなく」好奇心を駆り立て、探求する意欲を育む人(これを学習ファシリテーターと言います)として、社員に働きかけることにしました。
そして、ある日の会議で・・・
ギクシャクするチームは、3箇所で、バラバラに仕事をしていました。
そんなか、ビデオ会議で「マーケティングコンセプト」を決めるミーティングを行いました。
距離も、心も離れたチームをまとめ上げ掛ける
今考えれば、「賭け」でした。
離れた場所、PC画面越しのチームを、一つにまとめられるのか?私は、ドキドキしながら、会議をスタートさせました。
「僕たちは、誰のために仕事をしているんだろうね?」
そんな質問からスタートし、議論の行方に目を光らせ、考えが行き詰まってきたら、
「マーケティングビューとは、顧客から会社のすべてを見ること。その視点から見ると、僕らの仕事は、何をしているの?」
など、質問し、沈黙を歓迎し、反対意見を歓迎する雰囲気を作り、「会議をファシリテーション」しました。
自分ではなく、「チームが勝つ」
会議をファシリテーションした結果、当初、私が考えていたアイデアよりも、はるかにいいアイデアを「チーム一丸」となって生み出すことができました。
正直なところ、僕の予想を上回るマーケティングアイデアが出たことが、「ちょっと悔しかった」ぐらいです。
しかし、すごく嬉しい瞬間でした。チームも、心が一つになってきたことをお互いに感じられました。
一進一退
とはいえ、この日を境に「ハッピーエンド」ではありません。その後も、時折、スーパーマンに憧れる自分が現れ、
- 指示を飛ばし
- 答えを示し、教え込み
- モチベーションを下げる
- 成長の速度を遅める
など、失敗もたくさんしました。
その度に、帰宅中の車内で、猛反省を繰り返しました。
反省するだけでなく、同時に先人のファシリテーターたちの知識を調べ上げ、日々に応用するようにしました。
- ボブ・スティーラー
- アダム・カヘン
- デビット・ボーム
- ラリー・ドレスラー
- 孔子(論語の孔子です)
- チーム学習理論におけるファシリテーション
これらの著作、文献、論文を分析し、「彼らのメンタルモデル」を明らかにし、「学習する場、組織を作るファシリテーション」を独自に体系化しました。
ラーニングファシリテーター養成講座で、私自身が変わった
そして、満を持して「ラーニングファシリテーター養成講座」を行いました。
3日間という集中した時間を通じて
- 良い学習状態を探求し
- 良い学習状態を作る場、プロセスを探求し
- その場を支えるファシリテーターの内面を探求し
- 理想像について議論する
そんな講座を通し、私自身が、何度も「ハッ」とさせられ、自分のあり方を見直しました。
最大の変化は何か?
チームメンバーへの不満がなくなった
仕事をしていると、どうしても
- 上司、部下
- チームの仕事ぶり
に、不満を持つことはありますよね?もちろん、私も、不満を持ってしまいます。
ラーニングファシリテーター講座を開催するまでの私は、
「他人と過去は変えられない。変えられるのは、自分だけ」
と、ブツブツと自分に言い聞かせ、本当は不満があるのに、頭で考えて、不満がないフリをしていました。
ですから、利害関係のない妻には、愚痴を聞いてもらって、気分転換をしていました。
今思えば、恥ずかしくて穴に入りたい気分です。
こんな裏表のある人間では、チームを成長させ100%以上の力を引き出すことはできません。
世界がシンプルになる
ある日の午後、講座資料をまとめていると一つの言葉に、釘付けになりました。
それは、
「期待するのではなく、受容する」
という言葉です。
この言葉を、今の自分の状況に当てはめた時、世界がシンプルに見えました。すると、不思議なことに、
「部下やチームへの不満が、消えていった」
のです。
もちろん、依頼した仕事の完成度が低く、外に出せないことはあります。
でも、「不満はない」のです。
不思議ですよね、こんな感覚。
しかし、チームを率いるリーダーには、絶対的に必要な資質です。
チームの若手が急成長
私の内面の変化とともに、toiee Lab で開発した「学習を促進しやすくする、シンプルなシート」であるFILMシートを使って
- チームで FILMシートを毎日、毎週、毎月
をするようになりました。このチームFILMシートも合間って、チームは急激に成長しました。
同時に行ったことがあります。それは、
「自分の意図を理解させるのではなく、まず先に相手のことを深く理解する」
を自分の課題に設定し、毎日反省したことです。
相手を理解しようと勤めることで、見えないところで頑張っていることを知ることができました。結果、頭ごなしに否定するような言動を避けられるようになりました。
そして、何よりも「相手(社員)を深く理解するプロセスで、相手(社員)が自分で考え、変わっていく」ようになったことです。
その結果、仕事の仕方も改善されていき、「屋台方式(寿司屋の大将方式)」と言う方法に行き着き、飛躍的に生産性が高まりました。
今では、私一人よりも、若いチームの方が、良い仕事をします。
私よりも、はるかに良いアイデアを出しますし、私がコピーを書く時に、強力な手助けをしてくれます。
※ このメールも、チームメンバーの力を借りて書いています
何かを変えたかったら、まず自分自身を変えることから始めよ
という言葉を聞いたことは、ありませんか?
どんな変化も、自分が変わり、その変わった力を使って、周りの人を変え、そして、世界を変えていきます。
もし、あなたが何か大きく変えたいと思うのなら、「学習ファシリテーター」という「あり方」を体現することは、大きな助けになると私は信じています。
toiee Labで体系立てた学習ファシリテーターは、先人の知恵、偉人の洞察をまとめ上げ、現代の経営に必須の「学習する組織」を生み出す
- 物事の見方、姿勢、取り組み方
を学べます。
経営者、リーダー、上司こそ「ラーニング・ファシリテーション」を知ってほしい
私のように悩む
- マネジャー
- 上司
- ビジネスパーソン
の方々に、ラーニングファシリテーターという新しい物事の見方、姿勢をお伝えできれば、人生を一変してもらえると本気で思っています。
もし、私のように「人を育てる気持ち」はあるけど、うまく行かず、悩んでいるなら、一度「ラーニングファシリテーション」について検討をしてみてください。
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。