飛躍的な学習効果を生み出す方法
すごいHTML講座を例に考えてみる
こんにちは。
toiee Lab 亀田です。
先日、HTML講座を開きました。
結果は、「革命的」でした。
(自画自賛ですが)
6時間の講座だったのですが、参加者全員が最先端の技術である「CSSフレームワーク」を使ってWebサイトが作れるようになりました。
※注意
HTMLについて知らなくても、楽しく読めるのでどうぞー
どこが、すごいのか?
4つの点で革命的だと言えます。
ポイント1 : 時間が非常に短い
HTMLを学べるオンラインのコースは様々あります。アメリカでは、それこそ何千万円も投資を集めて、一大オンラインコースが無料で提供されています。
ところが、これらのコースを使っても、CSSフレームワークまで到達しません。おそらく、CSSフレームワークにたどり着くまで、12時間分の「ビデオ」を見る必要があります。
当然、ビデオを見ているだけでは、身につきません。
手を動かして、体感しないと学べません。
つまり、12時間のビデオ + 試行錯誤の時間が必要です。
結果、ほとんどの人が、道半ばで挫折します。
(ちなみに、toiee Labスタッフの一人も、アメリカの有名オンラインコースを受けて、途中で脱落しました。相当気合入れていたにも関わらず)
一方、toiee Labの講座参加者は、「たったの6時間」で、CSSフレームワークを使ってWebサイトを作るところまで、学びました。
つまり、学習時間を4倍近く短縮し、挫折させていないことが革命的と言えます。
ポイント2 : 習っていないことも、学べる体質
もちろん、たった6時間では、すべてのタグ、CSS要素、その他諸々を網羅することはできません。また、書き方を記憶できるぐらい、繰り返し訓練をする時間はありません。
6時間で行なったことは、
- 独力でHTMLを学べる「知識」「姿勢(ものの見方)」「技術」
を身に付けました。
これなら6時間あれば可能です。
授業後は、趣味あるいは仕事で「Webサイトを作っているだけで、勝手に知識が増え、能力が上がり続ける」という状態になっています。
実際、受講者の一人(全くHTMLに興味がなかった人)は、「この土日で、好きな映画のサイトを真似して作って遊んでみようと思います」と、HTMLが好きになっていました。
(個人的には、この「好きになる」は、最大の結果だと思っています)
端的に言えば、「教えた以上を、学べる状態にする」という点で、画期的です。
ポイント3 : 経験ゼロどころか、マイナスだった
さらに、すごいなと思ったところは(自画自賛気味で、すみません)、受講者が
- パソコン自体が好きではない、会社に言われて受講しに来た(マイナス)
- 一度チャレンジしたけど、挫折した(マイナス)
- HTMLを学びたい訳ではなく、学習理論を体験しに来た(論外)
という人々でした。
こんな不利(?)な状況にもかかわらず、6時間、参加者全員が、ニコニコ、ワクワクしながら、「もう終わったの?」「楽しかったー」という学習環境でした。
もちろん、上述したように「すごい結果」を得ています。
ポイント4 : 受講者は「当たり前」と感じている
ただし、この新しい学習理論に基づく方法には、悪い点が1つあります。それは、参加者が、「当たり前にできた」「簡単だった」と感じてしまい、講座のすごさを実感しません。
ただし、HTMLを独学して挫折した一人だけは、「これは、すごい」を連呼していました。ですので、「他で失敗した人」でないと、良さが伝わらない可能性があります。
しかし、それぐらい「楽しい」「没頭できた」と思わせたことは、画期的だといえます。
どうやって、可能になったのか?
奇跡でも、なんでもありません。
誇張でも、フィクション(作り話)でもありません。
科学的であり、体系的であり、再現可能です。
「一体、何をしたのか?」を理解するために、歴史を150年ほど巻き戻して見ましょう。
時は産業革命
蒸気機関が発明され、機械による大量生産が、時代を変えると、もてはやされていました。
ところが、実際に「人々の生活を豊かにした」のは、フレデリック・テイラーが始めた「科学的管理法」と呼ばれる、新しい考え方でした。
フレデリック・テイラーの考えたことは、「熟練工」を科学したことです。それまで、熟練工の技術は「長年の経験、才能」によって身につく「神聖なもの」とされていました。
この「神聖なる技術」をフレデリック・テイラーは、科学的なアプローチで分析しました。
具体的には、「スコップのどこを持つのか?」「一度にすくう量は、どれぐらいか?」「腰はどう使うか?」「足幅は、どれぐらい開けるか?」など、細かく分析し、熟練の技を「原因と結果」に分解しました。
学べるものに変えた
さらに画期的だったのは、この「熟練工の動作」を繰り返すことで、短期間に身につける「訓練」を考えたことです。
このようなアプローチによって、3年以上かかるような熟練の技を「たった3ヶ月」で身につくようにしました。その結果、次々と熟練工が生まれ、コストが下がり、人々の生活を豊かにしました。
ここでのポイントは2つです。
- 熟練工の「動作」を分析したこと
- 分析した結果を「身につける訓練」を用意したこと
です。
これが、生産革命を生み出し、人類を豊かにしました。さらに、現代でも多くの場所で使われています。
toiee Lab は、何をしたのか?
150年前と、今の違いとは?
150年前の仕事と、今の仕事の大きな違いは「使う場所」にあります。
150年前、アルフレッド・テイラーの目には「熟練工」の動作がありありと見えていました。なぜなら、体を使う仕事だったからです。
一方で、現代社会の仕事の多くは「頭の中」で行われています。つまり、「見えません」。そこで必要なのが、アルフレッド・テイラーがやったことを「知識」に対して行うことです。
そのためには「頭の中を覗けるメガネ」が必要です。それが「学習理論、学習に関する体系的な知識」です。それを、toiee Lab は構築してきました。
つまり、
- 知識の構造(認知モデル)を分析し
- それを学べる「学習プロセス」を作り出す
ことです。
これが、toiee Labが研究していることです。
HTMLの場合は、どうなるか?
HTMLの場合だと「コードと、実際の見え方」を対応させるように「自分の脳を使う」方法。また、人が作ったコードのルール体系を素早く理解するように、「自分の脳を使う」方法を学びます。
これらを6時間で徹底的に行います。
しかも、人間特有の学習メカニズムをフルに使います。
すると、上述したような驚くべき学習効果を生み出します。
さらに、3つの副次的効果がある
さらに、toiee Labが長年取り組んできたアプローチの一つ、チーム学習では、3つの良い副作用があります。
- 学ぶ力、そのものが上がる
- 自信、勇気、素直さが身につく
- 人を尊重し、助ける社会性が身につく
この3つです。
私たちの理論では、学ぶ力そのもが上がるのは当たり前です。なぜなら、「高次の学習」という状態を引き起こすからです(これは、別の機会に説明します)。
また、人間特有の学習メカニズムは「失敗」「行動」を通してしか学べません。積極的に行動し、失敗して、そこから「たくさんの学び」を引き出すと、「どんなときでも、前進できる」と自分を信じるようになります。
つまり、自信、勇気、素直さが身につきます。
そしてチーム学習では、「他の人との、ものの見方の違い」を積極的に利用します。それによって、「他者がいるおかげで、自分が学べる」ということを実感します。また、違う意見があるからこそ、よく学べるということを「理念」ではなく、「実体験」で学びます。
その結果、「実利主義的の観点からでも」人を尊重することが、起こります。
一緒に、新しい教育を広げませんか?
toiee Labでは「FILM学習理論」という形で、独自の「教育学」を構築しています。この学習理論、教育学を使って、様々な分野の「教育を塗り替えていく」ことが、私たちの目標です。
その目標を実現するには、以下2つのことが必要です。
- 既存の先生、講師に学習理論を提供する
- 全く新しい「学習の場」を作り出す
残念ながら、(特に学校教育ですが)既存の教育現場は閉鎖的です。新しい教育学、学習理論は、今まで先生たちがやってきたことを「真っ向から否定する」ような印象があります(そんなつもりはありませんが、実際に言われました)。
原因の一つは、「権威を退け、生徒と対等であることを要求」することにあります。また、とことん「学習者を起点」に考えることを要求します。
これには、多くの教育者が反対をします。
例えば、「意欲のない学生はいる。彼らは、やり方を教え、従わせるべきだ」などの意見が出ます。私たちの考えは、「意欲がないなら、意欲を持たせる努力を。さらに、先生だけが努力するのではなく、本人にも責任を負わせること。対話すること」を求めます。
もちろん、一部には賛同してくださり、toiee Labのワークショップに来てくれる先生も少なからずいます。しかし、マイノリティな存在です。
既存のものが使えないのなら、「新しい学習の機会」を作るしかありません。それが、スタートした「といてら」です。
まずは「忠実にファシリテーション」することから
ここまでの話を聞いて、
「知識を分析して、学習理論にするのは面白そうだけど・・・」
「大変そうだし、時間がかかりそう・・・」
と思っているかもしれません。
新しい教育方法(学習ファシリテーション型といいます)には、5つの段階があります。
- 用意された学習プロセスに沿ってファシリーテーションする
- 用意された学習プロセスに沿いながら、積極的にファシリテーションする
- 用意された学習プロセスを分割したり、組みあわわせて受講者の要求に応える
- 知識を分析し、独自の学習プロセスを設計できる
- 学習の現場で、真に「臨機応変」にファシリテーションする
※ファシリテーションとは「促進する」という意味で、toiee Labの学習理論において重要な要素です。ここでは「授業の提供の仕方の一つ」と思ってください
です。
いきなり「5.学習の現場で、真に「臨機応変」にファシリテーションする」は、難しいです。
しかし、「1.用意された学習プロセスに沿ってファシリーテーションする」は、想像しているよりも、ずっと簡単です。68人の被験者が、それを証明しています。
具体的には、3日間の「集中講座」に参加すれば、「1.用意された学習プロセスに沿ってファシリーテーションする」ができるようになります。
もちろん、完璧ではないでしょうし、ヨチヨチ歩きかもしれません。
それでも、既存教育の「やり方を教えて、繰り返して、覚えさせる」時代錯誤的なものに比べれば、遥かに「効果的な授業」ができます。
ビジネス的に見ても、生徒側の受け取れるものも「十分価値がある」ものができます。これは、既に研究結果として確認しています。
大切なことは、完璧ではなく「価値ある一歩」を始めること
もし、あなたが「自分や、自分の周りの人の可能性」を信じ、それを開花させることに価値を感じるなら、一緒に「といてら」を始めませんか?
「といてら」とは、主に、toiee Labが開発した教材を使って「新しい学び」を広げる教室のことです。
「といてら」に参加すれば、「1. 用意された学習プロセスに沿ってファシリーテーションする」からスタートして、やがては、5まで進むことになります。
私たちは、あなたの成長を支援するだけの準備を整えて来ました。
あなたが「やりたいけど・・・」「興味があるけど・・・」と思っても、二の足を踏んでいるとしたら、「とにかく一歩」を踏んで欲しいと思います。
なぜなら、どんな山の頂上も、「最初の一歩」を踏み出さない限り、到達することはありません。あなたが登る山は、きっと遥かに遠いはずです。
だったら、最初の一歩が、多少ずれていようが関係ありません。
それよりも、「さっさと一歩」を踏み出すことが必要です。
歩きながら、走りながら学びましょう。
あなたの参加をお待ちしております。