学びたいなら、「環境」にこだわろう
こんにちは。
toiee Labの中村です。
今日は、最近で一番驚いたニュースを紹介させて下さい。
シリコンバレーがとうとうアートを買った
2016年2月、ついに日本の「ある企業」が
アップル、グーグル、facebookなど
今日の世界を変えている企業に肩を並べました。
しかも、ビジネスではなく、アートで。
その様子が、掲載された記事がこれです!!
(しかも、世界最大の経済誌、ウォールストリートジャーナルです!すごい!)
Silicon Valley’s Wealthy Finally Buy Art (When Not for Sale)
_Pace Gallery, the powerful contemporary art gallery, has cracked how to entice Silicon Valley’s wealthy anti…_blogs.wsj.com
この快挙を成し遂げたのは
「チームラボ」という日本のテクノロジー集団です。
彼らは、世界中を驚かすようなアート作品を、次から次へと作りまくっています。
どんな作品かというと、
- 北海道の雲の上にプロジェクションマッピングをしてみたり、
- 子供が描いた絵が実際に動きだす水族館を作ったり
- 有田焼に描かれている模様が陶器から飛び出してくる空間を作ったり
とにかく「ハンパない」です。
百聞は一見にしかず。作品はyoutubeで見ることができるので、
ぜひ、チェックしてみて下さい。
秘密は「オフィス」にある
世界中から引っ張りだこのチームラボ。
彼らが、普通の会社とどこが違うかというと、
これです。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20141017/420588/?SS=expand-career&FD=1421851125より抜粋
床のカーペットは柄物、ミーティングルームの壁の色は黄色。
思わず、「保育園か!」と突っ込みたくなるオフィスにあります。
よくある、白とグレーばかりの殺風景で静かな
事務所とは全く別もののように感じます笑
これこそが
「創造性を発揮し、常に新しいことを学習しながら作品を作る」
秘密です。
具体的には、、
・脳は「黄色」を見ると創造性を発揮しやすくなるので、壁の色を真っ黄色にしてみたり
・でも、ずっと黄色にしていると落ち着かないので、長時間作業をするデスク周りは沈静作用のあるシンプルなグレーや白にしていたり
・思いついたアイデアを逃さないように、机の板自体を紙にしてみたり
・チームで会議する時に、一人の小さなパソコンの画面を見なくていいように、すべての机の上にはパソコンの画面を大きく映し出すことのできるディスプレイを置いていたり
仕事をしていれば、勝手に理想的な学習状態が発揮されるように設計をしているのです!すごい!
チームラボは他の会社と比べても、特にオフィス作りにすごくこだわっていることで有名です。社内に建築家がいたり、オフィスを作るためだけのチームがいるほど力を入れています。
この「環境」へこだわりまくったオフィスが
シリコンバレーでも注目される企業の毎日の仕事を作っています。
「環境にお金をかけるなんて、ただの贅沢だ!」
僕は高校生の時、すごく英語が苦手でした。
特にリスニング(聞き取り)が全くといっていいほど分かりませんでした。
いくら単語を覚えても、文法を暗記しても
教室の隅っこに置いていたラジオから聞こえてくる音声は
一つも聞き取ることはできません。
そこで、高校を卒業したら海外に言って英語を勉強しようと思い、友達に決意を話したところ
「聞き取りができないんでしょ、、別に海外に行かなくても勉強できるじゃん。気持ちの問題!」
とバッサリ切られました。
確かに、お金や時間の問題でできないことはあるし、どこにいても学習はできると思います。
ただ、世界に誇れる日本の企業が、環境づくりに全力でお金をかけている現実がある中で
「環境にこだわるのは、贅沢」といって、どれだけ成長できるかを全て本人の能力に任せるのは少しもったいないなと思います。
動物は「学ぶために」環境を選べない
いきなりですが、ちょっと想像してみてください。
「泳ぎ方を学ぶために、海に飛び込む猿がいますか?」
「走り方を学ぶために、運動場を駆け回る犬がいますか?」
たまたま海に落ちてしまった猿は、頑張って溺れないようにジタバタすることはあるかも知れませんが
いつか海で溺れた時に困らないように、プールに通って泳ぐ練習をしていることはありません。
つまり、動物は与えられた環境に適応することはあっても、
何かを学習するために、環境を変えることはありません。
一方で、人間は
・英語を話せるようになるために、海外に行ったり
・排気量を鍛えるために、高山トレーニングに行ったり
・より高いレベルを目指して、メジャーリーグに行ったり
します。
これは人間が脳の進化の過程で身につけた「メタ認知」という抽象的なことを考えることができるようになり、「学習している状態」を認識できるようになったからです。
「走る」で考えてみる
例えば、あなたが東京マラソンに参加したくて、
「長く走れるようになりたい」と思っているとしましょう。
すると、
・平坦な道を走ってみたり
・坂の多い森を走ってみたり
・酸素の薄い高山を走ってみたり
いろんなところを走ってトレーニングしますよね。
そして、散々いろんな場所を走った後に、
ふとこんなことを考えます。
「どこで、どんな練習をするのがいいだろう?」
「どの練習が、自分の欲しいスキルをゲットするのにピッタリだろう?」
その結果、高山トレーニングが一番効果的だと判明すれば
以降、高山でトレーニングをすることを選びます。
これがもし、馬だったらどうでしょうか?
草原で、自分の命を狙って追っかけてくるチーターから逃げ続けた結果、
肺や足の筋肉が発達し、長く走れるようになることはあるかも知れませんが、
いつか追ってくる超足の速いチーターから逃げ切るために、足の遅いチーターがいる場所に移動し、練習することはないと思います。
つまり、人間は「走る能力」をあげるために高山(環境)を選ぶのに対し、
馬はたまたまチーターがいる草原(環境)があるから、走る能力が上がるわけです。
僕たち人間は、「学びたいこと」に合わせて、ふさわしい場所や、使う道具など、環境を選ぶことができるのです。
環境に適応するのは大得意
大昔、陸に上がってきた生き物が環境の変化に合わせて
肺呼吸を覚えたように、僕たちも細胞レベルで環境に適応する能力を持っています。
もし、あなたが学びたい内容によって、自由自在に環境を自ら作り出すことができれば
人間が本来持っている環境に適応する力を使って、飛躍的に学ぶことができるかもしれません。
今まで何か挫折したことや、諦めてしまったことが環境を変えることで学べてしまうかもしれません。
どんな学習に、どんな環境がふさわしいのか?
toieelabは、「学習と身体性」 をテーマに日々、研究をしています。
あなたが、学びたい内容に合わせて環境を変えることができるように
仮説と検証を繰り返し、データを集めています。
・より創造性が発揮されるためには、どんな環境が必要なのか?
・リラックスできる空間には、どんな共通点があるのか?
・体を動かすことが、人間の学習にどんな影響を与えるのか?
などなど
あなたの普段の生活に取り組みやすい形で書いていますので、ぜひ役に立ててみてください!