なぜ、「学び方を学ぶ」必要があるのか?
新しい学習理論 F.I.L.M を紹介します
こんにちは。
toiee 亀田です。
今から3年前の冬、
息子が通う保育所でインフルエンザが大流行しました。
ちょうどその時期に、息子(3歳)も風邪を引き、
近くの小児科病院に行きました。
処方箋をゴミ箱に捨てて帰りました
その小児科で診察を受けた後、病院の外のゴミ箱に、処方箋をグシャグシャと丸めて、捨てました。しかも、怒りと共に。
ことの経緯は、以下の通りです。
息子が風邪をひいたので、すぐに病院に連れて行きました。
普段は連れて行かないのですが、もしインフルエンザなら、他の子供に感染させないように、保育所を休ませなければなりません。そこで検査に行きました。
が、本当にイライラさせられる体験をしました。
診察の順番が来て個室に入った後、なぜかその医者は問診もせず、私に子供を押さえつけるように指示し、鼻の穴に検査用の綿棒を突っ込みました。
子供はびっくりして泣きじゃくりました。
さらに、「検査結果が出るまで、別室で待機するように」と指示され、インフルエンザの特効薬の説明書を読むように指示されました。医療側にとっては、効率が良いのかもしれませんが、少しイライラしました。
そして、その特効薬の指示書には、TVでも報道されていた2つの薬がありました。どちらも、子供が服用すると、異常行動をしたという報告があるものでした。
しかし、その指示書には
「2つのどちらかを選んでください。Aを推薦します。」
と書いてありました。
審査結果は、ただの風邪でした
15分ぐらい待ったでしょうか。検査結果が出たと報告されました。聞くと、なんと「ただの風邪」です。ほっとしましたが、そのあと、医者はすらすらと処方箋を書き始めました。
処方箋には、
- 熱を下げる解熱剤
- 抗生剤
- 抗生剤を飲むと胃腸が悪くなるので、整腸剤
- ビタミンC
と書かれました。
ご存知かもしれませんが、「風邪」はウイルスによって引き起こります。ウイルスの大きさは非常に小さく、現在の薬は効果がありません。基本的に人の免疫によって対処する以外治りません。
抗生剤が効くのは、サイズの大きい「細菌」です。これは、書籍にも書かれているし、ウイルスの本などを読めばわかる常識です。
さらに免疫学から考えれば、発熱することで、細菌の動きを鈍くし、免疫細胞の活動を活発化します。つまり、意味があって発熱しているので、異常な発熱でない限り、解熱させない方が良いのです。
これを無理やり、解熱剤で下げると、細菌が侵入しやすくなります。
そこで抗生剤を飲むことで対処します。ところが、抗生剤は細菌を無差別に殺します。いわゆる腸内菌も殺します。すると、便秘になりやすくなるので、整腸剤を処方されます。
そして、ビタミンCは免疫系を働かす為に必要な物質です。これは唯一役立つかもしれませんが、飲みすぎると、ビタミンCを排出する癖がついてしまい、一時的に肌荒れとかを起こします。なるべく、自然な形で取り込むことがベターです。
以上は、自分で調べたことと、信頼する医師からのアドバイスです(非常に権威ある賞をとった方です)。
極端な話、寝てたら治る
脱水などに注意して、消化の良いものを食べさせて、安静にさせておけば、風邪は治ります。むしろ、胸腺(免疫細胞を育てる場所)は、中学生頃をピークとして、子供の頃に発達します。
子供のうちに、いろんな病気にかかって、鼻をたらしたりして、免疫を鍛えることが大切だと私は考えています。親の都合で、無理やり直すのではなく、子供の将来を考えて、3日ぐらい安静にさせることこそ、長期的に考えれば、やるべきことです。
もちろん、私は「私のやり方が絶対に正しい」と主張しているのではありません。法律では、医師以外が医療的なアドバイスをしたら罰せられます。ですので、これは私の経験を話しているだけで、一つの考え方です。
しかし、少なくとも、あの4つの薬なんか買う必要はないと自分で判断しました。安静にしていら、2日後にはケロっと元気になっていました。
良い医者はこう言います。
「患者さんも、医療について学ぶべきである」
「最終的に、自分で判断することが必要になる。医師が正解を持っているわけではないし、最終的にはリスクなどを考えて、どうしたらいいか、判断するしかない」
医療を医者任せにしない
一昔前には、「明日の命」が大切でした。ところが、豊かになった私たちは、「健康に気を使う」ようになりました。その結果、医療に過度な期待をかけ、さらに医師の権威を感じるような仕組み(狙ったわけではないと思います)によって
- 医師が正解を持っている
- 医師自体も、正解を知っていると勘違い
をするような状態が少なからず起こっています。
一般的に、医者の誤審率は40%近くと言われています。3人診察したら、1人は間違えるということです。特に風邪などは、どのウイルスか?は、お金をかけ時間をかけて検査しないとわかりません。そんなことをしている間に、治ってしまいます。
なお、医大などでは「60–70%」の正しい診断を目指しなさい。できたら、75%を目指しなさいと指導するそうです。
だからこそ、「医師はカルテを書いて、継続的に観察する」ということを習慣にしています。外すことが前提になっているシステムになっています。
それなのに、私たちは盲目的に「自分たちの健康のことを医者任せ」にしてしまっています。
高いレベルの健康などを目指すなら「医療を医者任せ」にせず、自分たちでも学び考え、医師と協力していくことが大切です。
同じように「学習を先生任せ」にしない
ひと昔前であれば、何かを学ぶは、すべて「先生任せ」にしておけました。多少、下手な教え方でも、学校は卒業さえすればいい場所でした。
ところが、今は「医療と健康」のように、高い次元の学習、教育が求められます。大学生までに学んだことだけで、一生安泰ではありませんし、同じ仕事をずっとして安泰という時代も終わりました。
日進月歩するテクノロジー(スマホ、コンピュータ、人工知能、養殖技術、配送、マーケティング技術・・・)を次々と学んで、仕事に応用していくことが求められます。
さらに「新しいもの」「いままでなかったもの」を考え出し、いままでよりも複雑で難解な問題を解かないといけない社会になっています。
こんな社会において「死活問題」となるのが
- 学習の質とスピード
です。
例えば、HTML技術を学ぶとします。その時、HTMLを教えてくれる人に「学習、教育方法」を任せっきりにすることはできません。HTMLはプロかもしれませんが、教えること、学習させることにおいては、ヤブ医者かもしれません。
HTML技術もプロ、教えることもプロというのは、なかなか実現できるものではありません。そこで、私たちがすべきことは、「学習について自分で責任を取ること」です。
つまり、
- どのように学べば、質が上がるのか?
- どのように取り組めば、素早く理解できるのか?
- 自分の得意な学び方は?
ということを分析し、学ぶ力を引き上げていくことが必要です。
学ぶ力を引き上げる F.I.L.M. の原則
現在、人工知能の研究がテレビ、雑誌を盛り上げています。人工知能の研究が進んだ結果、逆に、「人間本来の知性、学び方」がはっきりしてきました。
二つの例をあげましょう。
一昔前、シンセサイザー(コンピュータでどんな楽器の音も出せて、演奏できる機械)が登場した時、「演奏家の仕事がなくなる」と心配され、大騒ぎになりました。
ところが、蓋を開けてみると、シンセサイザーではできない「微妙なズレ」によって生まれるテンポ、心地よさ、情感があることに、人々が気づきました。その結果、演奏家の収入が上がったとも言われています。
つまり「シンセサイザーという簡易の演奏装置の出現」が、「人でないとできないこと」を明確にし、価値を再定義しました。
次に音楽業界の例で考えてみましょう。
ひと昔前はCDを買って音楽を聴いていました。この時、欲しくもない曲も同時に買うしかありませんでした。そのような状態から「着メロ」や「iPod、iPhone、スマホなど」で欲しい曲だけ買って聞くように変わりました。
CDの売り上げはどんどん落ち、それに慌てた業界団体は、意味のない「デジタル著作権法」を制定しましたが、CDの売れ行きは変わらず。
そして何が起こったかというと、「手軽に聞けるからこそ」、「ライブの価値が上がる」という現象が起こりました。
CDを買ってまで聞くほどでもなかったけど、ダウンロードで簡単に聞けるから、より多くの人に伝わり、そしてたくさんの音楽を聴くことで、聴き手の聴く能力が上がり、「ライブの良さ」をわかるようになったとも言えます。
このように「何かが簡易になったり、反体軸がはっきりする」と、「もう一つの本当の価値」が明らかになるというのが、普遍的な仕組みです。
人工知能研究が明らかにした「人間しかできない学習方法」
さて話を学習に戻します。
感覚的に理解できていると思いますが、私たちは、囲碁をする人工知能(Alpha Go)とは、まったく違う学び方をします。
例えば、囲碁をするコンピュータは「囲碁から人生訓を取り出す」なんてことは、どうひっくり返ってもできません。これは「ものすごく省エネ」な学習方法です。
一方で、囲碁をするコンピュータは囲碁以外はできません。もちろん、囲碁を学習するメカニズムを使って、他の課題を学習し、解決できるようになりますが、実は「非常に効率の悪い」学習と言えます。
例えば、最近話題のGoogleが開発し、囲碁チャンピオンを破ったAlpha Goは、開発に3,000億円かかったとも言われています。そして、囲碁の学習のために、最新の独自コンピュータを何千台も用意し、膨大な電力を消費して計算しています。
そして対戦時は、途中まで粘ったら、そこから10,000並列計算をやって、それこそ、一つの街の夜を輝かせるぐらいの電力を消費して囲碁チャンピオンに勝ちました。
これって「知的」と言えるでしょうか?
少なくとも、「しなやかな知性」とはいえません。
私は、大学生の頃から人工知能の中でも、ソフトコンピューティングと言って「生物や人間が持つ、しなやかな知性」について研究してきました。だからこそ、この人工知能ブームを違う観点から眺めており、人工知能の研究が一歩前進したからこそ
「人工知能の研究によって、人が持つ本来の学習メカニズムが、よく理解できた」
と感謝しています。そして、長年の独自研究から「人間特有のしなやかな学習方法」を
- F. I. L. M.
というシンプルな原則にまとめ上げました。
F.I.L.M. の意味は以下の通りです。(※この原則については、別の機会でお伝えします。)
- Fractal (フラクタル)
- Feedback (フィードバック)
- Intentional (意図的、意識的)
- Lasting (永続的)
- Meaningful (意味のある)
この要素をしっかりと理解し、学習に活かすことで、私たちはもっとたくさんのことを学び、成果を出していくことができます。
このF.I.L.Mの原則を適用すれば、世の中で流行っている「アクティブラーニング」や「課題解決型学習」が、なぜ学習に良い効果があるのか?もシンプルに説明できます。
子供の未来、私たちの未来のために
ところで、「2025年問題」はご存知ですか?
2025年には、団塊の世代が75歳を超え、後期高齢者となます。その結果、私たちの5人に1人が「後期高齢者75歳以上)」、そして3人に1人が65歳以上(前期高齢者)という、まだ誰も経験したことのない『超・超高齢社会』を迎えます。
あと10年もありません。どう考えても財源は足りなくなりますが、解決策はあります。
財源はどこからやってくるでしょうか?
それは金融トレードでも、アベノミクスの黒田バズーカーでもありません。
それは「私たち一人一人の働き」によって、財源は作られています。つまり「働く人の成果」が財源です。そして、その成果を生み出す「効率」が生産性です。
今、日本の農業従事者人口は260万人です。これは、人口を1億人とすれば、3%弱です。驚きの数字ですが、私たちは「食べ物に困りません」。
実は「農業に関わる生産性は、飛躍的に増加」しているのです。その結果、農業従事者が減っても、必要な食料が確保できています(農作物の生産量だけでなく、保管、加工、流通も)。
これは驚くべきことです。同様に工業も、肉体労働者は減り続けているのに、コストダウンして生産性を向上させ続けています。
ただ、農業も工業も、GDP費は低いので生産性を向上させてもあまり貢献しません。
残るは「サービス業」と「知識労働」です。これらに生産性革命をもたらせれば、財源の問題も解決します。
サービス労働と知識労働においては、「生産性の向上 = 生き甲斐、やり甲斐」
そして面白いことに、サービス労働で生産性を上げるには
- 目的意識
- 仕事のやり方を工夫する
- 新しい知識、技術を組み合わせる
ことでもたらされます。
例えば、スターバックスの店員さんは皆生き生き仕事をしています。顧客と楽しく話して、最高のサービスができるように、様々な仕事の進め方、システム、作業が最適化されています。
その結果、顧客に集中できるようになって、売り上げが上がっています。
さらに良い知らせがあります。サービス労働、知識労働に関する「生産性向上」は、今始まったばかりです。まだまだ、青天井で向上させていける可能性があります。
さらにさらに、良いことがあります。
知識労働、サービス労働は、「年齢を問わない」
という特性があります。
私の周りには、60歳を超えても元気に仕事をしている人が、ゴロゴロいます。しかも、今が絶頂期?というぐらいです。彼らは「知識を活用した仕事」あるいは、「知識・経験をベースとした技術」で仕事をしています。
頭の使う仕事は、長く働くことができます。さらに頭をしっかり使って、楽しく仕事をしていたら、なかなかボケません。
このような社会を目指していかない限り、私たちの未来は明るくありません。このような未来を実現する鍵は、やはり「学ぶ力」や「学習について学ぶ事」です。
人が本来持つ、学ぶ力を解放する
手のひらで本を読んだり、瞑想状態で高次元の意識とつながって答えを出す・・・というような神秘的な方法に頼らなくても(ないとは思っていませんが、誰もができるものではありません)、
科学的なアプローチで「私たちの学ぶ力」は、もっと、飛躍的にアップさせることができます。
長年の研究から、F.I.L.M として体系立てた基礎理論に、学習ファシリテーションというアプローチを組み合わせれば、今まで学べなかったものが、学べるようになります。
最新の学習理論をギュっと詰め込み、自分自身と周りの人の「学ぶ力を引き出し」「育み」「掛け合わせる」ことができるようになるのが
- toiee Learning Facilitation 講座
です。
もしあなたが、先生、講師、人を育てる立場(経営者、人事)、そして、お子様を持つパパ、ママ、ジージ、バーバなら、学んで欲しいと思う内容です。
学習とは、自己を変容させること
ところで、この Learning Facilitation 講座は「学習ファシリテーションの仕方」を学ぶだけではありません。この学習ファシリーテーション講座では、単に理論を学んだり、ファシリテーションを学ぶだけでなく
- 自分の役割、ミッションを見つけ
- 学習する場の可能性
- 多様性を認める学習による社会への影響
なども、同時に学び、発見するような講座になっています。
なぜ、このようなカリキュラムになっているかというと「飛躍的な成長には、自己変容が欠かせない」からです。
飛躍的な成長とは、新しい知識、技術、ものの見方、考え方を身につけた時に起こります。今までの自分にはなかった「新しい何か」を「大幅に取り入れた時」、私たちは飛躍的な成長をします。
そのため「学習ファシリテーション講座」では、人生の意味を問うようなワークも取り入れています。
その結果、「60歳以上の方」が、半数以上参加を占め、「人生のターニングポイント」や「第二の人生」のために参加されています。
そして実際に「自分の人生における大切な価値観」を再発見し、行動を開始されています。
第二の人生は、待っていてもやってきません。行動を起こさない限り、しかも、はるか前に起こさない限り、やってきません。
もし、「人の学習や可能性を切り拓くこと」に興味があり、価値を感じるなら、学習ファシリテーションという新しいアプローチを是非、学んでください。
でも、安くありません(リーズナブルですが)
現在、toiee ができる最高峰の学びを得てもらうために、少人数限定で講座をしています。最大でも12人が限度だと思っています。少人数だからこそ、一人一人に気を配り、ファシリテーションし、人生のターニングポイントになるような
- 自分自身の定義
- 学習に対する考え方
- 多様性、他者に対する考え方
を学べるようにしています。
その結果、どうしても「大人数」には提供できませんので、安価には提供できません。これは、今後の課題(ebookやオーディオセミナーをリリースするなどを検討しまう)ではありますが、
「ギュッと、凝縮された学び」
を得たいとお考えなら、ぜひ、toiee Learning Facilitation 講座にお越しください。あなた自身のため、あなたの周りに人のために「学習ファシリテーション」は役立ちます(コーチング理論すら含む概念です)。
追伸:
ところで、toiee Learning Facilitation 講座は、講座を開くたびに改善を続けてきました。その結果、先日(3/25, 26, 27)の講座では、「大幅に設計を変更」しました。
個人的には「やっと満足いくものができた・・・」とホッとしています(それでも、改善は続けています)。
コーチング理論などを学んだけど、効果がなかった・・・と思う方も、その理由が手に取るようにわかり、コーチング理論を活かせるようになります。
さらに、あなたが学びたいものを次々と学び、高いレベルに到達できるようになります。
「学習の大きな変化」を起こす、3日間を私たちと一緒に過ごしませんか?あなたに、お会いできることを楽しみにしております。